これはこの「風に吹かれて」第2回に書いたものです。この当時は「モラハラ加害者=自己愛性パーソナリティ障害」と思っていたんですね。
今はいろいろなバリエーションがあることも、サポートもワンパターンではないこともわかっていますが、何しろ駆け出しの頃に書いたものですので、ご容赦ください。
16年前と違って、今はモラハラの認知度は比べ物にならないほどあがりました。それでも、なぜ被害者が辛いのか、なぜ夫を変えようとしないのか、そんなにつらいのならなぜ離れようとしないのかを理解してくれない人は大勢います。
「世間では」とは「普通は」という人は想像力がないし、一般的な考えが正しいと思い込んでいる人たちは、その殻を破ることができません。むしろ、破ることは悪いことだと思っています。
これは、16年前、モラハラがまったく知られていなかった頃に書いたものですが、深層では、今もそれほど変わっていないのかもしれません。
【カルフォルニアとツンドラ】
このサイトを見て、モラル・ハラスメントのことを初めて知ったと言う方が大勢いらっしゃいます。同じ被害者の 方なら共感していただけるのですが、そうでない方はわかっていただけないようです。
「どこの家も同じ」「話し合いなさい」「あなたも悪いところがあるんじゃない?」 モラ夫の全てがそうではありませんが、「自己愛性人格障害者」であることが少なくありません。この障害者(自己愛性変質者とも言う)のことを 知らない人に話しても、なかなかわかっていただけません。
心理学の世界では「精神の吸血鬼」とも 呼ばれています。まさか自分の夫が人格障害だなんて、誰が信じられるでしょうか。でも本当なのです。
人格障害と精神障害は違います。 鬱病やノイローゼといったものは治療で治りますが、専門家でも人格障害を治すことは相当難しいといいます。
モラハラされている人とそうでない人の会話は、ツンドラ地帯に住んでいる人とカルフォルニアの温暖な地域に住んでいる 人が電話でやりとりしているようなものです。
ツ「食べるものがないのよ」
カ「だったら種を蒔かなきゃだめよ。人間働かないで 食べ物を手にするなんてできないのよ」
ツンドラは「そうか」と思いました。種を蒔けばいいんだわ。
ツンドラは一生懸命凍った大地を掘り起こし、種を蒔きました。 でも一向に芽は生えません。
ツ「種を蒔いたけど芽が出ないのよ」
カ「種だけ蒔いてもだめよ。水をあげなきゃ」
ツンドラは 一生懸命水をかけました。水はたちまち氷になってわずかしかない地面を覆いました。
ツ「水をまいたら凍ってしまったわ」
カ「そんな馬鹿なことがあるわけないじゃないの、嘘ばっかり!」
ツンドラもカルフォルニアも嘘は言っていません。 でもお互いの住んでいるところが違うので状況がわからないのです。
カルフォルニアにツンドラの状態をわかってもらうには、ツンドラ地帯に連れてくるのが 一番なのですが、それができなければ写真をみせて「これがツンドラの住んでいる場所よ」と教えてあげれば、心ある人ならばわかって もらえると思います。
心のない人、自分の世界しか信じられない人は。。。相手にしないことです。