守ってあげたい

時々「夫から守ってもらえなかった」という方がいます。「結婚とは男性が女性を守る」ことというセオリーがあるのかもしれません。それに異を唱える方もそれほどいないでしょうし、活動写真では縄でグルグル巻きをされたメリーさんが線路に置かれて、足をバタバタさせて助けを求める活動写真の時代から(いつだろう?)、女性は守られるべき存在と言う「常識」が世の中に浸透していたと思います。

この常識を思いっきり覆したのは「エイリアン2」ではないでしょうか。私の中ではそうです。

https://cinemore.jp/jp/erudition/385/article_386_p1.html

これをリンクして気づきました。あらら、これも「ターミーネーター」と同じ監督のジェームス・キャメロンだったんだわ!つまり彼は常に戦う女性を主人公にしていたんだわ。ほほー。

この映画、本来なら「助けてー!」と叫ぶのがリプリーで、勇敢に救うのがヒックスのはずなのに、ヒックスは本当にもう、判断力はないし、足でまといでしかない!さっさと逃げろというところで転んだり、怪我したりしてイライラさせられどおしです。そののろま加減にお前なんか死んでしまえ!と叫びたくなるほど。

足手まといのこの野郎なヒックスをこれでもかと助けるのがリプリーで、いやー、かっこよかった。「ターミネーター2」のサラコナーもめちゃカッコよかったと私の深い記憶に残っているということは、私とキャメロン監督の信号が一致しているということかしら。

そういえばの話になりますが、私は記憶の中で「誰かに守って欲しい」という思いが無かったような気がします。子どもを守りたいとか、仕事を守りたいとか、そういったことはあるけれど、誰かに守られたいと思ったことがない。守ってくれる人がいたら便利だろうなとは思うけど。

親は守ってくれるどころか常に「育ててやった恩を返せ」というばかりだし、子どもの頃助けて欲しくても、そう希望通りのことはしてくれないし、してくれても怒鳴り声と一緒だし、いつも見返りを要求するし、いつまでもそのことを持ち出して恩に着せるし、それが面倒だからもう何かしてもらおうという気すら無くなっていました。

ただ、友人から助けてもらうことは多々ありました。本当に沢山ありました。「これ、頼めるかな」とお願いすれば「いいよー」とふたつ返事で引き受けてくれる。でもこれは「守って欲しい」とは別のものですよね。

子どもは守ってあげたいと思いはとても強くあります。命に代えてでも守りたいと思います。でも、誰かに守られたいとは思わない。これは守られたという経験がないからなのかしらん。たぶんそんなに信頼して頼り切った人が急にいなくなったらとても困って落ち込んでしまうという、防御のためかもしれません。だから最初から守って欲しいという気持ちを持たない。

そういう気持を持たなければ「夫が守ってくれない」と落ち込むこともない。でもそう言うと「それはとても悲しいこと」とか言う人が絶対にいるんですよ。依存する先がないのは悲しい事ではなく、人間ってそもそもそういうもんだと思うのです。依存する相手がいたら、それはそれでかまわないし、いなくても特に不都合なこともない。人から「悲しい」だの「気の毒」だの「寂しい」だのと言われる筋合いはない。なぜ自分の価値観に人を引っ張り込むのだ。

依存する人がいなくても、特に困りませんよ。いつ居なくなるか、気が変わるかわからない依存先がひとりいるよりも、助けてくれる人が50人いた方がいいと思うのだ、私は。

電話相談の内容をちょっと変更

電話相談期間が終了しました。今回のご相談はモラハラ以外のものが結構ありまして、今まで夫婦関係のモラハラのみに特化して行ってきましたが、これからは枠を取り払い「なんでも相談」にしようかなと思っています。今までなぜそれをしてこなかったかと言うと、ご自分で答えを見つけるお手伝いをする、いわゆるカウンセリングの場合は、たいていとても時間がかかるからです。1回で終わることはほとんどありません。

何度もリピートしていただく必要があるのですが、ここの相談自体、年3~4回ほど、期間を設けて行うものなので、継続の方には使い勝手が悪い状態でした。それならば、私ではなく、他の継続可能なカウンセリング機関に行っていただいた方がよいと思ったので、そうしてきました。

ただ、いろいろな方のお話を伺うと、モラハラ家庭からの避難はソーシャルワークが主ですが、こころのケアや、自分を見つめなおすお手伝いもそれと同じように重要だと思うようになりました。実際私は男女参画センターの相談員を10年勤めましたので、この「自分を見つめなおす方のお手伝い」は沢山やってきました。それならば、ご要望があればやらせていただいてもいいなと思うようになりました。

同じ空間を共有しないでお話を伺いますので限度はありますが、相談に来られる方が「モラハラを知っている人と話をしたい」と仰ることが多いので、私でよければお受けいたします。

次回の相談は11月頃に行う予定ですので、もしよろしければその頃にご連絡下さい。

伊勢谷友介と嫌われ松子

俳優の伊勢谷友介が大麻取締法違反の疑いで昨日逮捕されました。沢尻エリカの時もそうだったけど、「ああ、ありっぽそ」と思うのは、そういった匂いがしていたから。

伊勢谷友介をちゃんと意識したのは「嫌われ松子の一生」です。松子が教師をしていた時の教え子が成長して、ある日突然松子の前に現れる。よく聞く印象的な音楽(この曲名教えて!)とともに、長身の体を壁から離してふらっと登場するシーンはとても印象的でした。

ヤクザの役なのでそういう印象を持ったのかもしれませんが、その後に出てくるDV疑惑は、彼の内側の役作りに役立ったのかしらんと思っていました。

https://bunshun.jp/articles/-/40149

「悪役専門だけど実はいい人」という人は沢山いますが、なんだかこの人は屈折していて、とっても奥深そうな印象があります。DVをするのは強そうに見えて実はとっても弱い人です。弱いのに強く見せようと思うからそこでDVが発生する。弱い者しか相手にできないから相手が下になるような構図を作る。

経済だったり、「子どもを片親にする気か」という脅しだったり、「お前がダメだから」という貶めだったり、とにかく自分が相手よりも上であり、自分からは離れられないことを徹底的に相手に植え付ける。時には「俺はお前がいないとだめなんだ」と相手の情を揺さぶる。「嫌われ松子」もそうでした。「嫌われ松子」を見ると、DV男というものが本当に良くわかる。

そしてこうやって「ダメな男から離れられない人」も時々みかけます。いわゆる「ダメンズ」。これは境界線がゆるゆるだから起きることなので、人と付き合う時は境界線を意識しましょうというのは別の時に。

演技は結構重要

東京に来た年は派遣仕事を転々としていました。その中のひとつに書類整理がありました。大勢の派遣社員が机の上に積まれた書類を整理し、次のセクションに回す仕事です。簡単楽ちんな仕事ですが、給料は都の最低賃金でした。実は雇用者側は最低賃金よりも500円高い給料を出していて、派遣会社を通さないで来た大学生などはウハウハの人気の高い仕事だということは後で知りました。

書類整理は慣れていますから、黙々とこなしていたある日、書類が1枚ありません。書類にはナンバリングが打たれているので、番号は続いていなければならないのに1つ飛んでいる。私がやり終えた後にチェックをして見つけたものだから、最初はあったはずです。

やり終えた後の書類を全部見直してみてもありません。仕方がないのでチーフに「書類が1枚見当たりません」と報告しました。チーフは「変ですね。どこかに紛れたのかな。少し時間を置いてみましょう」と言って次の作業をするよう言われたので、言われたとおり、次の書類の山に取り掛かりました。

誰も出入りのない場所で書類が消えるわけがない。おそらくどこかに紛れてしまったのだろうと、私も思いました。こういう時は必死で探して時間を無駄にするよりも、みんなが同じ作業をしているわけだから、誰かのところからひょいっと出てくるであろう、というのは長年仕事をしていれば経験上わかっています。

だからチーフに言われた通り仕事を続けたのですが、向こうの方で2、3人の人たちが「呆れたわねぇ」「平気な顔をしているわよ」とチラチラこちらを見ながら話をしています。

う~ん、困ったな。前線で長い間仕事をしていましたから、卒倒したくなるようなアクシデントは山ほど経験しました。眠れぬ夜も何百回とありました。死んでお詫びをしなければならないような出来事もありました。そんな経験を吐くほどしてきた身としては、書類1枚が無くなった程度でアタフタなんかするわけがない。

でも、責任感あふるる方たちはそうは考えないようです。こちらをチラチラみながら仕事を続ける彼女たちは、時折顔を見合わせては口に出さない相槌を打っています。

「熊谷さん!あったわよ!」

声を出してくれたのは仲の良いスタッフのひとり。

「えーー!ほんとーーー!!!助かったーーー!!ありがとーーー!!」

これはホント。探し物が見つかった時は本当に嬉しい。

「あの時紛れたんだね」と言いながら書類を揃えましたが、私は反省しきり。

こういう時は演技でも心配で死にそうなフリをした方がいいようだ。

何かアクシデントがあった時は、あわてず騒がず、大したことではないフリをしてみんなを落ち着かせ、次にどういう手を打つかクルクル頭を廻らせるのが仕事だったから今回もそうしたのですが、それはこういう場合はダメなのでした。責任感を持って仕事をしている証として、書類1枚が無くなったことで青ざめておろおろせねばならなかったのです。書類を無くした犯人が気も狂わんばかりに探し回っていれば彼女たちも溜飲を下げるのですが、平気な顔をしていたので、彼女たちの責任感に火をつけてしまったらしい。

あー、めんどくさ。

元夫と暮らしていた時、子どもが病気の時やケガをした時に、私が「大したことないわよ」というと夫は怒り狂うので、「大変だわ、どうしよう」とおろおろして見せると満足げに「大した事ないだろう」と言いいます。

母ならば子どもが病気をしたら寝ずの看病をして、ケガをしたらつきっきりで介護するものだと思い込んでいる夫です。子どもが第一。子どもを何よりも愛している母親でなければ夫は満足しません。もちろん子どもは大事だし看病もするけど、風邪ごときで髪を振り乱してまでするほどのもんではなかろうが。

人間関係をスムーズにするためには、アホらしい演技でもした方がよいようです。

いたらない母

私の母はただいま施設に入っていますが、時々手紙を寄こします。ちなみに私が母に手紙を書くことはなく、2週間に1度程度、1分ほどの電話をします。コロナの前は1~2か月に1度程度面会に行ったりしていたのですが、コロナのため、年配者と会うのは相手を危険に晒すと知事も仰っておりますので、今年の2月に会ったきりです。その代わり、電話の回数を10日に1回ほどに増やしました。

#世の中には毎日離れて暮らしている親に電話をする人がいるらしい。
#うーん、見上げたものだ。きっと大切に育ててもらったんだろうなぁ。

その母から先日手紙が来ました。数行の文章の最後に「”いたらない母”より」と締めくくっていました。

なんて脅迫的な(笑

こうやって人をコントロールするのですよ。本人は自分をいたらない母とは思っていないですから。「そんなこと言わないで。沢山やってもらって感謝しているのよ」と言ってもらいたくて書いている匂いが紙面から立ち昇る。

ちなみに「私、デブでブスだから」と言う人も、「そんなことないよ、かわいいよ」と言ってもらいたくて言ってます。

この手法はミエミエで使い古されているから、もう若い人たちは使わないかな。それとも時代を越えて利用されるのだろうか。

相手からこう言って欲しいから自分を卑下してみせるというやり方は、姑息で見え透いていて、それでいて強引で、その人の人柄が見えます。

”いたらない母”を” ”で括って書くのも、「をいをい」と思う。もう寿命がそれほど残っていないんだから、優しくしてあげたっていいじゃないと思われる方もおられるかもしれませんが、この蟻の一穴から、貞子のように穴から這い出して、グレードを上げてくるのが彼女のいつもの手。

とは言え、うつにでもなられたらめんどくさいので、バーゲンしている「しまむら」から、洋服を2着、お菓子と一緒に送っておきました。この服を着て施設で「娘が送ってきたの」「娘が送ってきたの」と言って回るのだろうな。子どもの頃「子どもが入賞して」「子どもが褒められて」と言いふらしてまわったように。子どもの栄誉を全部自分の手柄にしてしまう人。

子どもの頃「金食い虫」と言われながら育てられた娘の、ほんのささやかな”親孝行”です。母が境界を守ることができる人ならば別の展開もあるのですが、なにしろ人の領地にズカズカと入ってくる人なので、メキシコの壁のような鉄壁のものを築く必要があるのです。

相談を受けていると、この「境界を守れない方」が時々おられます。この話はまた別の所で。

土下座はポーズ

こちらの続きです。

オトシマエって何か特別なものではなく、もう離婚すると宣言し、成立させたときにもうついているのです。夫は一生自分の奴隷だと思っていた女に反旗を翻され、「お願いです。離婚はしたくありません」と言った時、大いなる敗北感を感じたでしょう。

ただ、気をつけていただきたいのはこの時にたとえ土下座をしたとしても、それはポーズ。手を下にして、頭を下げたというポーズです。謝ったという意識はありません。こうすれば妻がまた奴隷になるというのなら、どんなポーズもするし「反省する」と言います。「は ん せ い」という言葉を並べただけで、意味はありません。

「反省すると言ったのに変わらない」という方は多いですが、最初から反省の意味がお互いで違うのです。反省→悪かったと思い、今後しないという意味に勝手にとらえたと相手は思っています。自分はそんな意味で言ったんじゃない、もしくはそんなことは言っていないとさえ言うでしょう。彼の頭の中の自動忘却システムにより削除されているか、自動改変装置によって塗り替わっている可能性があります。

こんなのをまともに相手にしては、時間の無駄です。早くこの自動忘却システムや自動改変装置が作動できない第三者がいるところで決着をつけるに限ります。

第三者がいるところで正体がばれ、離婚は避けられないと分かった時、オトシマエをつけさせたことになります。立派な二重丸です。さらに財産分与や養育費や婚姻費用、さらに慰謝料がついたら花マルです!

これで充分オトシマエはつけさせました。あなたは勝ちました。自分の力を振り絞って自分の人生を自分で切り開きました。これからもこの力を使って生きていけます。

いろんな意味で、あなたは勝って相手に一泡吹かせたのです。それを誇りにしましょう。

オトシマエをつけてもらおう

前回からの続きです。私はしっかり落とし前をつけさせたのでスッキリです。フラッシュバックも無ければ元夫を恨むこともない。元夫に対しては何の気持ちもない。そういえばそういう人もいたなーという程度。まったく存在感なし。

先日子どもと会った時、「パパから送ってきたけど多いからあげる」と、甘栗を1パックもらいました。あー、このデカい甘栗高いんだよー。1個100円くらいするんだよー。「さすがパパ、お金持ちだねー」と言って受け取り、家に戻ってパクパクいただきました。美味しいわー。

まだ、夫の影響を引きずっている方は、甘栗の後ろに夫の姿を見るからできないと思いますが、私にとって夫は影も形もないので、目の前にあるのは棚から甘栗。なんの意味もありません。ただの美味しい甘栗。

私が夫につけさせた落とし前とは、夫から一番大事なものを奪い取ったことです。
私は夫が一番大切にしていた「家族」を奪い取りました。機能不全の家庭に育った夫にとって、それは欲しくて欲しくてたまらなかった宝物でした。そして自分は世間に良き家庭の良き夫で父親であるとアピールできる、大切なアイテムでした。

更にその奪い取ることになった原因は自分であると、しっかり認識させました。その原因は拙書「家庭モラル・ハラスメント」に書きました。これはどう理屈をつけようが、原因を作ったのは夫自身です。もっとも今は「離婚するほどのことではなかっただろうが」と恨んでいるだろうけど(笑

オトシマエはきっちりとつけていただかないと、いただいた清算をしていないからもやもやを引きずることになる。そうだ、「復讐」と言わずに「オトシマエをつけてもらう」と言おう。それなら罪悪感はないでしょ?

半沢直樹~みんな復讐が好き 2

「半沢直樹」がまた放送されていますが、視聴率は好調のようです。なぜみんな「半沢直樹」が好きなのか。それはもちろん「やられたらやりかえす。百倍返しだ!」があるからです。

このセリフと水戸黄門の印籠出しは、テレビの2大決まり画面かもしれません。

虐められ、貶められ、視聴者がイライラジリジリとしている時にパッと出てくる印籠や倍返し。でも、最初から印籠を旗に吊るして歩けば、事件も起こらないのではないかと思ったりもする(・_・?)

ともかく、視聴者はそれぞれ自分がやりたくてもやれない復讐願望を持っています。その怨念を半沢直樹が代わってやってくれているようで、スカッとします。

#余談ではございますが、このドラマには歌舞伎役者さんが重要人物をされているせいか、セリフを言うたびに大見得を切っているように見えるのは私の気のせいだろうか。。芝居が大げさすぎやしないか?

さて、半沢直樹は大物に対して最初から「倍返しだ!」と宣言しますが、これはハラッサーにはやらない方がよいのは当然です。油断させてスキを作らせ、そこを突くのが定石だからです。そして(家庭モラハラはできませんが)自分が報復したのだとは気づかせないようにするのも大事です。半沢直樹はテレビだからこれで終わっていますが、本来ならば百倍返しのさらに百倍返しで返って来てもいいケースです。

そんなことできるの?と思われる方は、知恵をめぐらせましょう。小さなひとりでもできることはあるものです。ただし、私利私欲によるものだったり、勝手な逆恨みだったりした場合はうまくいかないかもしれません。

世の中って、そういう風にできているものなのよ。不思議ね。

「復讐なんてそんな悪いことはできない」と思う方もいるでしょう。そういう方は復讐なんか考えずに、潔く清廉潔白に生きたらいい。でも、だったらなぜ半沢直樹を見るのでしょうか。

以前「返報性の法則」について書きました。

人は相手から何かしてもらったらお返しをしなければならないと考える生き物です。これはしてもらったものが厚意でも悪意でも変わりなく、人間の心理に組み込まれたものだからです。

だから「倍返しだ!」は当然の行動です。でもなぜ「復讐は良くない」と考えるのでしょうか。もちろん「テロにはテロを」といった争いの場合は人の命がかかっているし、実際そういう場合の報復はエスカレートするだけで何も残りません。だからやるべきではないと思う。でも、モラ夫から何かされたら、「倍返し」はあっていいと私は思う。それでスカッとするならやった方がいい。

私はモラハラ禍からの脱出には「勝利感」が不可欠だと思っています。この勝利感が無くやられっぱなしで終わったら、お返しは心理による正常反応なのでいつまでもモヤモヤが残ってしまいます。ただ何をもって勝利と思うかは人それぞれです。

以前掲示板に笹ベアさんが書いて下さいました。

”モラからの和解金は、生活費には使いませんでした。
和解金は、シミ取りレザーやネイルジェル、ライブ代に充てました。
モラは、私の美と楽しみのために15年間働いたのです。
私の腹の虫には”ザマーミロ”が必要でした。”

勝利感とはザマーミロです。

半沢直樹は日本中の人にザマーミロという、自分にはできない報復を小気味よく見せているから、喝さいを浴びるのです。

半沢直樹~みんな復讐が好き 1

人は復讐が大好きです。その証拠に小説も映画もテレビも復讐劇だとアツくなります。世界中の文学や映画で復讐を取り扱ったもののめちゃくちゃ多いこと。

わが母が人に話す話の十八番があります。

パート勤めをしていた時、同僚にとても意地悪な男性がいた。聞こえよがしに母の悪口をいう、何か聞いても知らぬふりをしたり、怒鳴りつけるような返答をする。しかしながらこの男性はキーになる仕事をしていたので、ケンカを売るわけにもいかず黙って耐えた。

月日が流れ、母はパートを辞めて家にいたが、ある日たまたま家の外に出たところ、この男性が乗っていた車が故障で止まってしまっていた。10人程度が乗れるバンで、他の人たちも暑い中、修理業者がなかなか来ず困っていた。

母は「アイツだ」と思ったが、「ここで仕返しをしてはいけない。広い心を持たなければいけない」と思い、「さぁさぁ、ウチに入って涼んで」と家に招き入れ、冷たい飲み物や果物を出して接待した。件の男性はたぶん自分が母を虐めていたのを覚えていたのだろう。当初居心地が悪そうだったが、修理業者が来て車が動くようになり、車に乗り込む前に母にぺこりと頭を下げ「ありがとうございました」と礼を言って帰った。

その後、たまたまその男性が作業をしている場所に出くわした時、その男性から「この人はとてもいい人だから」と周りにいる人に大きな声で告げ、母がやろうとしていた用事を全部やってくれた。

別れるときには「またな、またな」と大きな声を出していつまでも手をふっていましたとさ。

                               ちゃんちゃん♪

日本昔話ではありません。この話を沢山の人たちひとりひとりに聞かせるのを私は横で聞いていました。もう耳にタコやらイカやらが張り付いちゃって(笑

母がこの話を好んで人にする理由はみっつ。

◎たとえ昔意地悪をされても、それを恨んで困っている人を助けないなどということはいけない。広い心を持たなければならない。

◎その時は必ず相手は虐めたことを恥じ、助けた人に感謝し、恩返しをするものである。

◎自分は昔意地悪をされた人を助けた、広い心の持ち主である。

早い話、これは母の自慢話です(笑
大体年寄りは教訓話が好きなものだし。

でも、ハラッサー相手にはこれは通じません。恩返しなどという言葉は彼らの脳にはありません。どう利益を得るか、得をするか、自分が相手を支配するかしかありません。それでも母のように「忠義を尽くせばきっと相手もわかってくれる」という昔話に脳が占領されている人たちにとって、「夫に優しくすればきっと相手も変わる」と固く思っている人は相当多いです。もはや昭和を通り越して明治時代のようなことを書いている「モラハラ夫への対処法」もあります。

テレフォン人生相談ーモラハラ回

なぜ妻が自分と離婚したいと言っているのかわからないという相談者。妻は発達障害なのではないかと言い出して。

https://bit.ly/2PHclcV

この放送回をお聞きになりたい方は「テレフォン人生相談 7月29日」とYouTubeの検索窓にいれてみてください。

いろいろと妻のことを言っていますが、大体モラハラ加害者はウソをつくので、どこまで本当なのかわかりません。確実なのは

①妻は精神科に入院した
②妻の親から「あなたがいると子(妻)は精神的にまいってしまうので離れて欲しいと言われたので「妻を私の家」に置いて自分は実家へ行った(「妻の家」はどこだろう?)
③家庭内ルールを作って妻に守らせようとしていた

この部分は相談者が矮小化はしていると思いますが、彼にとってネガティブな情報なので、本当のことなのだと思います。聞いている限りでは、相談者に問題がありそうですね。だいたい「自分のものである家を妻に明け渡し、自分は妻のために(不便であろう)実家に帰った」というところが印象操作的。

加害者の言うことがあてにならないというのは、離婚裁判では相手側から「妻のないことないことないことないこと」が山ほど出てきます。多いのは「妻が〇千万円持ち逃げした」という話です。「どこにそんなお金が!」とビックリだよ!どうやって〇千万円のヘソクリ貯めるんだよ!

これから避難を予定している方。調停や裁判で「妻が〇千万隠した」と言われてもビックリしないでください。モラハラあるある話です。