出産後、退院する病院でのできごと

遠い昔のことになりますが、わが母の強烈な一面がでているエピソードをご紹介します。

上の子を出産した時のこと。我が母は大層喜んで毎日のように病院に見舞いに来ました。退院後は世の風習に従い、実家へ帰ることになっていました。

その前に入院費の支払に「まる福」を使用するため市役所で手続きをしなければならなかったのですが、モラ夫がするわけもなく、父に頼むと「そういうことは親がするものだ!」と一喝されましたので、入院中に私が役所に行って手続きをしました(このことは「家庭モラル・ハラスメント」に書きました)

さて退院の日。うきうきとやってきた母はいつものように「あんたはちゃんと自分の使ったものを始末して!」と指令を飛ばします。

「さぁ行くからね!」と母は子どもを抱き、後に車のキーを指でくるくると回しながら父が続き、その後ろを入院で使った道具を両脇に抱えた私が歩きます。

母はどうやらテレビで芸能人が出産退院の時に、花道を作った看護師さんが拍手でお見送りをするのと同じように、自分が子どもを抱いて晴れやかな笑顔でペコペコと頭を下げながら歩く姿を想像していたようなのですが、そこは大きな総合病院。みんな忙しく働きまわっていますので、お見送りなんかあるわけがない。

廊下で「あれ?」と不思議そうにしていた母に駆け寄ってきたのは婦長さん。

「子どもはお母さんに抱かせて!」と母の手から子どもを引ったくり、私に抱かせ、「出産後の人に荷物なんか持たせないで!」と私が持っていた荷物を母に持たせました。

「この子は落とすから。。。」と言い訳をしていた母ですが、渋々荷物を父に預けると、病院の廊下をそそくさと歩き始めました。

看護師さんたちが作る花道を堂々と子どもを抱いて得意そうに歩く自分を想像していた母。産んだ私の姿は抜けています。

ま、母はそういう人です。