また母の話で恐縮ですが、母はその場その場で思いついた、相手に合わせた話をよくします。いわゆる「話を盛る」というものです。嘘と言えば嘘なのですが、本人にはその自覚がない。
盛った話は真実ではないので、前に言ったことの数分後に話すことが違う。「え?さっきそう言わなかったよね、こう言ったよね」「言わない、言わない」「だってこう言ったじゃん」
「言ってない、言ってない」と真っ向から否定します。これは今、母私の庇護が無ければ生きていけない状態なので、私を怒らせるわけにはいきません。何とか私が気にいるような答えを出そうとします。
彼女は頭をフル回転させて私を納得させようとするのですが、何しろ数分前に言ったことを覚えていないので、「どっちがホント?」と言うと、またない頭をフル回転させて私が気にいりそうな方を本当だと言います。
母の名誉のために言いますが、痴呆ではありません。特に金勘定はびっくりするくらいしっかりしています。外出しても行った道を覚えていて、私のように道に迷うということはありません。
母は先日施設内が急に停電になったのに施設の職員はまったく役にたたず、母が先導して指示を出したと自慢していました(たぶん盛ってる)
この「前に行ったことと矛盾することを平気で言う」については、ずーーっと昔からそうでした。もっと言うと「口から出まかせを平気で言う」です。昔は私が反論するとキレまくって手がつけられない状態になるので何も言わなかったのですが、今は私の方が立場が上。しっかりと「違うでしょ」言うのですが、それはどうも96歳を虐めているような構図になってしまいます。
でも96歳の人なんだからと「はいはい」と言っておくと、勝手な要望がどんどん増えてきます。私は被虐待児童ですから、私が親からしてもらった以上のことはするつもりはありません。
他の方たちのように毎週施設に行くとか、毎日電話をするなんてことはしません。事務的なことを事務的にこなすだけで充分だと思っています。
この母の「うそ、おおげさ、まぎらわしい」にどれだけ振り回されてきたことか。
社交的で24時間しゃべっていないとイライラする人なので、作り話も多くなるし、その場を盛り上げたくて、話を盛ることも無自覚になり、結果「うそつき」になっていく。
大きな心で接してあげてと言われても、もう無理だなぁと思っています。
