こちらを訪問してから昔のマンガに目覚めた私。特に読みたかったのは実はちばてつやの作品でした。
「島っこ」「ありんこの歌」「みそっかす」「テレビ天使」など、懐かしい思い出の作品がたくさんあります。
ちょうどアマゾンのプライムセールと重なって、期間限定1冊165円というお値段で買うことができたので、さっそくポチポチしました。
#7月14日までの期間限定価格とあったので、焦ってみんなポチしたら、今も1冊165円
「島っこ」は離島に温泉を探しに来た大学教授の父と一緒に移住した小学4年生ミチが主人公。
「ありんこの歌」は炭鉱の教師として赴任した城大介と子どもたちのストーリーです。
東京から慣れない離島にやってきたミチの家族に襲う不幸の連続の後、なかなか出なかった温泉が見つかるまでのストーリーはマンガとは思えないほど現実的ですし、「ありんこの歌」では落盤事故で親や兄弟を亡くす子どもたちの生活など、今読んでもとても引き込まれます。
他の少女マンガが某国の王子様が東京で記憶喪失になるとか、孤児の少女が大スターと結婚するとか、子どもが読んでも「ないだろー」というストーリー展開が多かった少女マンガ界で、ちばてつやは社会派のマンガを連載していました。
この作品を描くまでにどれくらい取材を重ねたのか。おそらくその現場に行き、現地の方から話を聞き、資料を読み漁り、現実に忠実に書かれていたのだと思います。
私は絵はまったくわかりませんが、ちばてつやは2,30人の集団を書く(モブと言うそう)時も全員の顔もポーズも着ている物も全部違います。全部ご本人が書いていたわけではないと思います。(スタジオにはアシスタントさんが大勢いたようです)
俯瞰や広角のシーンにはそれこそ何十人と言うモブが見開き2ページに書かれてあったりします。
ちばてつやは少女・少年マンガ雑誌に連載を続けた後、少女マンガ雑誌から遠のき、少年マンガ雑誌だけの連載になり、あの「あしたのジョー」などの作品を手掛けます。
マンガ界では少女マンガは少年マンガより一段劣るとされ、原稿料も安かったのだそうです。楳図かずおなどの作家は、少女マンガを踏み台にして少年マンガに移っていきます。
昭和30年代にこのような社会的なマンガを執筆したちばてつや。もしまたご覧になったことのない方にはぜひ一読をお勧めします。