以前このブログで沢木耕太郎の深夜特急について書いたことがありました。
「深夜特急」は出たばかりの頃に読んでいたのですが、たまたま新たに「旅する力」という本が出ていることを知りました。
「旅する力」をさっそく図書館にリクエストを入れて読んだところ、なぜ「深夜特急」は多くの人たちに支持されたのか、そしてその後の深夜特急の影響などについて書かれていました。
深夜特急が出た後、映像化の話は何度もあったのですが、彼はなかなかYESを言うことができませんでした。それが大沢たかお主演で映画化することになりロケをしていた時、なんとテレビで猿岩石というコンビが、沢木耕太郎と同じようにアジアから旅立ってヨーロッパで到着するという旅をテレビ番組で行い、大反響になりました。
そうか、やっぱりあの猿岩石の「突撃!電波少年」は深夜特急をモチーフにしたのですね。ちなみに諸外国でも若い男性が貧乏旅行をするという番組がいくつも作られているようです。これも深夜特急が元になっているものなのかもしれません。
さて「旅する力」の中で私がとても共感できたのは、その旅をするためにはその年齢であることが必要だという部分です。
沢木耕太郎が深夜特急の旅をしたのは26歳の時でした。26歳の感性は40歳では得られないものです。40歳には40歳の感性があります。そして同じ26歳でもとっさの時にとる行動や得られる感動は26歳になるまでの生き方によって違います。
特に旅はその時の瞬間の思い付きによって大きく左右されます。お金の苦労を知らず、誰かがいつも助けてくれるという人生を送ってきた人には、おそらくそうでない人に比べて経験則が非常に足りないだろうと思われます。
旅をするといろいろなところで判断決断をしなければならないことが多々出てきます。一人旅ならなおさらです。誰かに責任を押し付けることはできません。全部ひとりで決断しなければなりません。
その決断に至るまでに必要なものは、それまで自分で蓄えた知識や情報収集能力だったりします。
それまで多くの経験をしてきた人と、そうではない人の結果は歴然とします。だから私は多くのことにチャレンジし、自分の引き出しにしたいのです。
面倒くさいからとか、お金がないからとか、体力がないとか、時間がないとか、理由は色々あるかもしれませんが、できない理由を考えるより、どうしたらできるかを考えた方が自分のためになると思いうのです。
専業主婦で落ち着いて子育てをして、ママ友とおしゃべりして終わるのも、働きながら子どもを育てるのとどちらが多くの経験を積むことができるか。子育てだって立派な経験だと言われるかもしれませんが、やはり社会の中で働くということは並大抵のことではありません。
専業主婦の方たちは「働くのが嫌なのではない。働くのが怖いのだ」と言ってモラハラ夫から逃れることをためらっていたのではないでしょうか。できるだけ経験を積んで自分の肥やしとして次に活かす。そうやって人間は大きくなれるのだと思います。