令和の米騒動に昔を振り返る

スーパーの棚に白米がないのに気づいたのはもう2、3週間前でしょうか。私は胚芽米を食べているので、特に気にも止めず、丁度新米が出るころだから在庫調整しているのだろうという程度に思っていました。

先週テレビで「今、令和の米騒動になっています」とモーニングショーで扱われたので初めて世の中の動きを知りました。番組の中で「こうやってテレビで取り上げるからさらに買いだめする人が出てくる」というコメンテーターの言う通り、さらに品薄が進み、どこのスーパーにもお米がありません。

1993年の米騒動の時、私は米を求めて走り回りました。その時もはっと気づいたときにはやはりお店から米が消えていたのです。政府は庶民を落ち着かせようと緊急で外米を緊急輸入しました。

テレビ番組で「美味しく外米を食べる炊き方」なるものが放送され、出演していたタレントたちが「おいし~い」「これ、本当に外米ですか?」と称賛の声をあげるのですが、実際に外米を食べた知人たちが「不味くて食べられたもんじゃない」「外米とセットでないと売らないというからセットで買って外米は捨てた」というので、美食家のモラ夫に食べさせたら怒りまくって大騒ぎになるので食べさせられないと、国産米を求めて走り回りました。

モラ夫は「外米もうまいそうじゃないか、外米でいいよ」というのですが、どうせ食べたとたん「テレビではうまいと言っている。お前の炊き方が悪いんだ!」と怒鳴り散らすのはわかっています。

「1家族1袋」という売り出しのチラシを見れば車でその店に行って長い列に並びました。同僚や友だちの家では「親戚が農家」という人が多く、ほとんど騒いでいません。目を血走らせて走り回っているのは私くらいのものです。

確かに私の家にも農家の親戚がいたのですがかなり強気で、分厚い札束を出して米を買っていく業者に売るのだと言って1度20キロほどをわけてもらい、それを両親と弟宅、私の家で分けたのであっという間に無くなりました。

「少し多めに分けてもらえないだろうか」と母にお願いしたのですが、「ヒロキんちは東京で大変だから、お前には分けられない」と(将来面倒をみてもらう予定の(だが今は冷たくされている))弟宅に送られ、私は一袋の米を分けてもらいました。

この努力(?)のかいあって、私は一粒の外米も家族に食べさせることはありませんでした。これは私の誇り(?)です。

世の中には強迫性神経症気味の人がいて、何かが足りないと聞くと何もかも放って買いだめする人がいます。東日本大震災の時には共同住宅のごみ捨て場に期限切れのパンが沢山捨ててあったことがありました(拾おうかと思ってさすがにやめた)

この暑い時に米を長く保存すると味が悪くなるし虫も湧きます。もう新米の時期です。テレビを見て必死で買いだめして、不味くなったとゴミ捨て場に捨てる人が多分また出るんだろうなと思っています。