運動はひとり孤独にやるべし

オリンピックも明日で終了ですが、実はワタクシ、この春肩を痛めてしまい、整形外科に行きました。整形外科の治療では治らないのはわかっていたのですが、とりあえず変な病気ではないことを確認したかったのです。

初老の男性医師の診察では「肩こりでしょ」ということになり(たぶん加齢によるものと思われる。以前もやったのでわかっています)、体操で改善しましょうということになったのですが、その時に私が「ジムに通っているんですけどね」と言うと、医師はきっとなって、「ジムはやめてください」と言います。

もう10数年続いているジム通い。友だちも沢山いて日々は仕事とジム通いで完結しているような状態なので、ジムを辞めたら生活リズムも狂うし、友だちとも疎遠になってしまいます。

「あのー、私は特に必死になって重いものを持つとかウエイトトレーニングするとかじゃなくて、軽いヨガとかゆるいダンス系なんですが」と言っても「ともかくジムはダメ。やめなさい」と言うので、「どうしてですか?」と聞いてみました。すると医師は

「競うからです。人と一緒にやるとがんばってしまうからです」「大体年寄りになるとみんなジムに行きだす、そして体を壊す」と言う。

ひとりでは続かない運動も、人と一緒にやるからがんばれるのだけれど、そのがんばりがいけないのだと言います。

「ひとりで黙々と体操をするのならいいです」って、そんなーつまんない。ジム友ときゃっきゃしながら体を動かすからいいのに。

「どうしても行くならこれ以上言いませんけど。ジムは宗教みたいなもので、どんなに止めても行く人は行きますから」

と言われた通り、今もジム通いは続いているのですが、確かにジムに来ている人たちは「あっちが痛い、こっちが痛い」と言いながら通ってきます。休めば治るものを休まずについ動かしてしまうので、治りも遅くなります。

オリンピック選手じゃないんだから痛ければ休めばいいのですが、そこまでの痛みじゃないものだから、痛いところをさすりながら続けてしまう。きっと整形外科の医師たちの間では「ジムが良くない」というのが通説になっているのでしょう。

私は医師に言った通り、競うようなプログラムは受けていないし、無理してがんばってヨガのポーズを作ったりもしませんし、私の体に負担になるポーズはしません。

オリンピックを見ていると、体中テーピングをしたり痛み止めを打ってようやく動いている選手もよくいます。オリンピックに出るほどの人たちはみんなどこかしら体を壊し、だましだまし競技を続けているのでしょう。

「運動は体にいい」とは言いますが、あそこまで上り詰めるには、並大抵の練習量ではできないはずです。大体オリンピックに出るような人たちは小さな頃から英才教育的なことをして、親元を離れて合宿所にいることも多い。

競う競技をすると、体はガタガタになり、時には怪我で不自由な暮らしをしなければならなくなったりまします。何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。ジムに行っても適当にタラタラ体を動かす分には平和だと思うんですが、やっぱり人がいるとつい、ですね。