アマゾンプライムで「Plan75」を見た

アマゾンセールに乗っかるために入ったアマゾンプライムですが、早速プライム会員限定の映画「Plan75」を見ました。

日本で75歳になったら自分で死を選べる制度ができたという、近未来の話です。私がこの映画が話題になった時に真っ先に思い出したのは「ソイレント・グリーン」というアメリカ映画でした。人口増加で食料が無くなった世界の話ですが、なんとこの設定を2022年としています。

この映画と「Plan75」の違いは、「ソイレント・グリーン」が「人口増加による食糧難」というのに対して、「Plan75」は少子高齢化による政府の政策にしているところです。

1975年は全世界でベビーブームになり、人口が爆発的に増えた時代でした。よもやその40年後に、産まれる子どもの数が激減するとは予想されていなかったのかもしれません。

「ソイレント・グリーン」が死を選び、ホーム(=公営安楽死施設)に行くのと同様に、「Plan75」も75歳になったら安楽死できる制度を利用することができるという設定です。

この「Plan75」は役所の担当課が行っており、安楽死制度を利用すると10万円の給付や、1回15分の傾聴を毎日受けることができます。

映画の中ではこの制度を利用するのは経済的に行き詰った高齢者で、登場する人物はみなひとり暮らしをしています。安楽死施設のベッドに横たわる人たちからは「もう、生きるのに疲れたよ」というつぶやきが聞こえて来そうです。

映画の冒頭に、なぜこの「Plan75」ができたのかというくだりがありました。増え続ける高齢者を支えるために、若者たちがギリギリの生活を強いられている現実に抗議するため、高齢者を襲撃するという事件が相次いだのです。

高齢になって税金が払わなくなり、年金は受け取るといった、社会的にみれば負の存在になった時、高齢者が大きなお荷物になってしまうというのは、私も高齢者のひとりとして考えさせられました。

特に冒頭の「若者の貧困の原因のひとつになっている、増えすぎた高齢者をどうにかしなければ」というのは、もしかしたら本当に政府は心のどこかで必要な制度だと思っているかもしれません。

たとえば高額な薬は〇歳以上の人には使わないとか、健康保険制度のパンクを防ぐために実施されています。健康保険制度の維持のためにはそうしなければ制度を維持できないところまで来ていると、医師たちからの声として伝わっています。

もし私が80歳を超えていたら、お金はこれからの人たちのために使って欲しいと思うので、もしその高額医薬品を使うことによって命が数年延びたとしても、私はお断りしたいかなぁと思います。

寿命が延び、高齢者が増え続けることで若者に負担が行ってしまうのを防ぐため、考え出されたPLAN75。寿命は延びだけれど死ぬまで働き続けなければならず、働く場が無くなった時にこのPLANを選ばなければならない貧困老人たち。

空想の話とはいえ、とても現実に沿ったストーリー展開でした。