相談員をしていた時によく聞かれたのが「養育費はいくらもらえるでしょうか」でした。これは夫の収入と妻の収入によって導かれる「算定表」が裁判所では用いられます。
ただ、日本の約9割の離婚は協議離婚ですので、話し合いによって離婚した夫婦がどうやって養育費を決めているのかはわかりません。実際に養育費をもらい続けられている人は2割程度と、ずっと前からこの数字は変わっていません。
昔から変わったことと言えば、養育費をもらい続けられるようにと、離婚調停を申し立てるからが多くなったことでしょうか。でも、養育費と同じくらい大切なのは婚姻費用です。
婚姻費用は裁判所に申し立てた月から発生しますので、もし申し立てたのが5月で、調停が始まったのが7月だったとしても5月からの分がもらえます。もし婚姻費用が10 万円ならば5,6,7月の3か月×10万円=30万円になります。
モラ夫は「婚姻費用が高すぎる!」などと言ってなかなか払おうとしない場合がありますが、心配はいりません。ごねた期間の分が積み重なって「未払い婚費」として支払うよう裁判所から言われます。1年間も婚費で争っている場合は12か月×10万円=120万円を支払うように言われます。
もし「お金がない」と言って支払わない場合は分割で支払うように言われます。たとえば未払い分を月々2万円ずつ払うとすると、毎月の婚費10万円+未払い分2万円=12万円が、離婚が決まり、清算が終わるまで続きます。離婚が決まった場合は養育費+2万円が未払いが終わるまで続きます。
つまり妻から離婚を言われた時はゴネゴネしていないでさっさと離婚して、支払うものは溜めずにとっとと支払ってしまった方がいいのです。