暗いニュースばかりの中での明るいニュース。いろいろな会社に自転車やバイクでヤクルト商品を配達するヤクルトレディは、レディというだけあって全員女性です。実は私が初めてやったアルバイトはこれでした。
まだ中学を卒業したばかりの春休みにやりました。ヤクルトではなく同種の乳酸飲料販売でしたが、大きなバッグに商品を詰め、社員さんが運転する車で県庁に行き、あちこちの部署で販売します。
小さな中学生が、乳酸飲料をバッグを肩から担いでヨロヨロと各部署を渡り歩きながら販売するということで、ちょっとしたアイドルになりまして(笑)、おじさんやお姉さんがこぞって買ってくれました。売り上げ上々。
このバイトはこの会社が「アルバイト募集」の張り紙をしていたのを見て、恐る恐る事務所の引き戸を開け、「中学生でもいいですか?」と言って応募したものです。母が「お金がない、お金がない」「あんたたちにお金がかかる」と始終言っていて、高校進学にお金がかかるのが本当に申し訳なくて、せめて自分の学用品くらい自分で稼ごうと思ってのことでした。健気だなぁ。
この話を母は親戚に自慢話として披露していたということが、最近従妹から聞いて知りました。親戚で話すということは、母のことだからおそらく辺り一面に触れ回っていたでしょう。なぜこれが自慢話になるのかがわからない。中学を卒業したばかりの娘がアルバイトをしなければならない状態にあるというのは、親として申し訳ないと思わないのだろうか。
ともあれ、「石にかじりついても誰にも頼らず稼いでやる」という生命力はこの頃からあったようです。
そうだ。テーマは「ヤクルトレディ」でした。ヤクルトが一番ありがたい職場なのは、保育所が併設されていることです。働こうと思っても、小さな子どもがいるとまず保育所を探さなければなりません。その保育所が希望者多数で待機になっているのは社会の問題として報道され続けています。