コロナが持ってきたもの

コロナ禍はずっと世界中を混乱に陥れていますが、ひとつだけちょっとしたいい事もありました。長く続けていた調停がパタパタと決まっていったという話を聞いたのです。それもひとつふたつではなく、いくつも。

コロナ自粛が長く、裁判所がストップしていましたので、調停も裁判も行うことができず、当事者の方たちも動くことができなかったことが原因とみられます。ずっとこのことばかりを考え続けいたのに、裁判所が「しばらく休止です~」となって何もできなくなってしまった。それも3か月近く。

人間何もすることがなく、ぼーっとしていると、どうも考えが変わっていくようです。なぜ取り下げたり和解に応じたりするかは個々の事情によって違うと思いますが、当事者目線で考えたらたぶん「どうでもいいか」という境地になったのではないでしょうか。

あれほどかっかとしていたのに、長い間何もしていないと、かっかとしていたのがバカらしくなったものやら、コロナで生活の方が大変になったものやら、とにかく被害者側にとっては良い方向に向かったという話をいくつも聞きました。

人間かっかとしたら、しばらく時間を置いてみる、その場を離れてみることも必要なことなんだなと思いました。コロナ禍がもたらした、ひとつの解決策かもしれません。ただ、3か月も何もしない、できないことなんて、そうざらにあることではありません。もうこれは「運が良かった」としか言いようがない。チャンスの女神が走ってくる一瞬を自分に引き寄せた、がんばったご褒美かもしれません。