「オードリー」が一山超え、私の興味は「虎に翼」に移りました。主人公の寅子は民法親族編・相続編の法改正の仕事に携わることになり、民法改正審議会に事務員として立ち会います。
その場で政治学の権威である学者は旧来の家制度を重んじる守旧派で、改正案について、多くの人が混乱すると真っ向から反対しますが、そのセリフがすごい。
「なぜ今の(旧来の)家族制度を否定する必要があるのか」
「みなさん、想像してください。もし息子が結婚して妻の苗字を名乗るなんてことになったら、子ども達はご先祖、親との血の結束、家族の結束を感じ取ることができますかな」
わーすごい!
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/173/yousi/yo1730602.htm
これは2009年11月の国会に出された請願書ですが、選択制夫婦別姓の法制化に反対する請願です。
”(二)選択的だから別姓にしたい少数者の意思を尊重するために選択的夫婦別姓制度を導入してもいいのではないかという意見があるが、この制度を導入することは、一般大衆が持つ氏や婚姻に関する習慣、社会制度自体を危うくする。”
なんと、1947年とまったく意識が変わっていない。
この「家族はいつもなかよく一緒に」という意識は、この間の共同親権の審議の中で大阪府第19区選出の谷川とむ議員が「離婚はしづらいようにした方が良い」という耳を疑うようなことを堂々と発言する輩たちが同じように持っているものです。
”一体感を持つ強い絆のある家庭に、健全な心を持つ子供が育つものであり、家族がバラバラの姓であることは、家族の一体感を失う。子供の心の健全な成長のことを考えたとき、夫婦・家族が一体感を持つ同一の姓であることがいいということは言うまでもない。”
姓が一緒だと一体感が生まれるそうだ(笑)
自民党が与党である限り、これは変わらないだろう。おとーさんがいておかーさんがいておかーさんがエプロンかけてお給仕するのが理想の家族とする、戦後の混乱期とまるで変らぬ意識の人たちはどこまで生き抜くのやら。