去年たまたまネットを徘徊していて、東京に「少女まんが館」という、心がスキップするような家があるのを知りました。なんでも昔のマンガが読み放題で入場無料なのだという。
https://www.nerimadors.or.jp/~jomakan/
発見したのが去年の11月で、11月~3月の間は閉館しているため、春を待って出かけてきました。
先週NHKで「少女まんがの魅力は国境を越えて」というタイトルで日本のマンガが他の国でも翻訳され、ヒットしていると放送されました。この少女まんが館も番組内で登場し、管理人の方は(まるで少女マンガに出てくるような美女)少女まんがに対する熱い思いを語っていました。
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2025052329075
昭和30年代から始まった少女マンガ雑誌は当初男性のマンガ家が書いているものが多く、題材も「生き別れた私のお母さんはどこ?」といった健気な少女がいくつもの不幸にもめげず、幸せになっていくというものが多かったのですが(男が考える「少女にはこんなテーマがいいだろう」という思い込み)、戦後生まれ世代の少女たちが漫画家となり恋愛マンガを描き始めて、少女マンガは変わっていったという内容でした。
さらに自分の人生は自分で選ぶといった自立した主人公が描かれるようになり、2000年代に入ると、育児をする男性も登場し時代の価値観がマンガにも反映されるようになりました。
そしてそれに共感する他国の女性たちが日本マンガの翻訳を熱望し、実現化されていきました。私も少女の頃マンガを読みふけったひとりとして、こういう館があると知ったからには行かずにおれません。
あきる野市という東京の中でもかなりはずれの場所にあるのですが行ってみました。道中、同じような年代の女性と一緒になり、森の中にひっそりと佇むマンガ館で4時間ほどじっくりと昔のマンガを読みふけりました。
もうそのマンガを見てから60年近く経っているのに、脳が柔らかいうちに読んでいたせいでしょうか、そのコマに描かれている絵に見覚えがある。がっしりと私の記憶の中にセリフが入っていて、懐かしさであの時代までタイムスリップしました。
この館は野越え山越えしていかなければいけないところにあるので、あまり訪問客はいないことが幸いしていると思います。これが人口の多い都心にあったら人が詰めかけ、マナーの悪い人もでてくるでしょうから本が傷んでしまいます。
週刊少女フレンドや別冊マーガレットを山積みして、同様の思いで読みふける元少女だった人たちも満足して家路についたことと思います。
当然賛助会員になり、また時間のある時に伺おうと思います。