なかなか表記にむずかしい世の中

こちらの続きです。

この事件のニュースがぱーーーっと広まり、いろいろなメディアで取り上げられるようになったら事件の映像が残っているだろうし、本人もあちこちに「触ったぜ!」「握ったぜ!」と吹聴していたでしょうから、たぶん犯人は出てくるだろうなと思ったら、やっぱり出てきました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d9641367d33274d17deca0ae0c069a9f061b8d3e

「酒を飲んで盛り上がってしまって」といつものようにお酒のせいにしているようですが、こういう痴漢行為はお酒は関係ないですから。私も昔はよく道で歩いていたらすれ違いざまに触られたり、ひどいのになると握られたりしたもんです。

まー、散々このすれ違いざま痴漢には遭いましたし、職場でも多々ありました。さわられるとびっくりしますから「きゃー」と言いますが、その「きゃー」が喜んでいると思っているらしいからバカです。いきなり胸をつかまれたらびっくりして声をだすだろーが。

こういった人たちが大人になり老人になっているので、たぶん昭和世代は「触られるのは喜んでいる」という自分勝手な妄想、予想、希望で認知が歪みまくっているのだろうと思います。

結局のこの世代から受け継いだ「世の中は自分の希望通りに回り、人は自分の思い通りのことを考えている」というものすごい自己中的な思想は綿々と受け継がれてきているのでしょう。

今回のことで、「やたらと手を出すと逮捕される」ということがわかったら、少しは世の中が変わるかなと思います。DVも手を出すと逮捕されるとわかったので、加害者たちはモラハラ方面に流れてきましたので。

DVはしてはいけないことだからやめるわけではなく、逮捕されるからやめるというのは残念ですが、やらなくなるのはいいこと。ただし、捕まらないモラハラに流れたというのは、やっぱりそうなるのかという感じです。

そして今回ちょっとびっくりが、触ったのは男性だけでなく女性もいて告訴の中に女性が含まれていたことです。セクハラは異性からのものという固定観念で考えていたらいけませんね。同性同士のセクハラもある。

7月にあった札幌の殺人事件の時に、しきりにニュースのアナウンサーが「女性とみられる人がホテルから出て」という微妙な言い回しをしていたので、これは女装している男性、またはそういう指向の人がからんでいる事件と思っていましたが、少しだけ当たっていました。

昭和世代はこのあたりの思考が固まっているので、思い込みで男女を語ってはいかんなーと思っています。

つぶやき板から拾ったお盆のつぶやき

お盆につぶやき板に書き込みがありました。

亭主関白と思いきやモラハラだった事に気がついた今年。結婚〇〇年で今気がつくとはバカな私だわ。でも逆にモラハラの症状と思えば何だかスッキリした。癌と同じよね。 こんな猛暑でもエアコン稼働させると決して良い顔をしない💢 扇風機と外風のみ。  今も掃除機掛けるからエアコンつけさせて、と言ったら嫌な顔。。散々言い合いをし、ならお前がやれ!となり、今せっせと掃除機かけて洗濯を干してるわ。私はソファで楽を。ざまぁだわ。昼間もあいつが冷房要らないならと私風通しを一人占め。暑くないんだろ?

情景が見えるようです。ただでさえ暑くてイライラしていて、お盆で家にずっといてという状態で、エアコンもご許可をいただかないとつけさせてもらえない。

たぶんご飯にも、部屋の片づけにもこうやっていちいち文句を言うのでしょう。モラハラに気づいて良かったですが、たぶん高齢の方なのでこの状態でずっと暮らしていくことになるのではと気がかりです。

できるだけ夫と接しず、言葉を交わさず、相手の挑発に乗らず、すきを見てご自分の好きなことを見つけて楽しんでください。そのうち夫はお墓に行きます。

後ろを振り向けば、後悔しかないという人

幸せでない方とお話すると一致するのが「自分ばかり苦労している。損をしている」ということです。そして「自分は幸せ」という方のお話を聞くと、相当苦労されているのに「だってちゃんとご飯も食べられるし、健康だし、仕事もあるし、お友だちもいるから充分幸せ」と笑顔で語られます。

聞けば肉体労働で薄給だし、持病はあるし、家族はいない一人暮らしだし、何より語られる半生が涙無くしては聞けないようなものだったりします。

自分ばかりが苦労していると語る人と、小さな幸せをしっかりと受け止めて「幸せ」と言える方。どこが違うのかと言えば、まず人と比べない点です。自分が幸せかどうかは自分だけで考えればよいことで、人と比べてよいことはひとつもありません。

あのお宅はいいなぁ、ダンナさんがいい人で、なんで私はああいう人と結婚できなかったんだろうと百回考えても今の状況は変わりません。

「テレホン人選相談」の加藤泰三さんは「変えられることは変える努力をしましょう。変えられないことはそのまま受け入れましょう」と毎回仰っています。変えられないものを、「あのときこうしていたら」と後悔して、あの時あの人がこうしなかったらと人のせいにしていると、どんどん不幸のアリ地獄に陥っていきます。

現在モラハラ受けている方は、10年先どうなっていたいか、そのために今自分は何ができるかを考えましょう。

私は相談員をしていて、60歳を超えた方のご相談をたくさん受けてきましたが、横暴な夫との生活が辛いと仰る方の多くは「今まで離れるチャンスは何度もあった。あったけど、できなかった」と仰います。

あの時もこの時もやろうと思えばできたけど、あと一歩が動かなかった。今はもう年をとり、その気力も体力も、何より経済力がない。もう無理ですねと仰いますが、いえいえ、離れることはいつでも何歳でもできます。10年後、まだあの時は体力があったと言わないように、小さなことからコツコツといろいろなものを蓄えておきましょう。

「その日」は結構突然来ます。

「共同親権」導入に向けた民法改正案のたたき台、法務省が8月にも提示

東京新聞に共同親権導入に関する記事が掲載されました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/264807

「共同親権」導入に向けた民法改正案のたたき台、法務省が8月にも提示 賛否が「親の立場」で割れている

この記事の中で「共同親権になれば離婚後も協力して子育てする親が今より増えるだろう」となっていますが、何を頭がお花畑なのだろう。離婚をするくらい仲の悪い夫婦が、離婚後に協力できるくらいなら離婚はしない。

中には子どものために協力している元夫婦もいるかもしれないが、そういう夫婦は単独親権の今も一緒に子育てできています。共同親権になったら今できていない元夫婦がなぜ急に協力するようになるのでしょう。

わからない。

そして橋本容疑者の続報です。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/264656

「共同親権」旗振り役の元棋士は「実子連れ去りの被害者」か? 国会議員やHanadaが擁護…そして事件は起こった

モラハラブログを書きたい

前々回のプロジェクトで出た質問ですが、ブログを書きたいと言う方がいました。ブログははねなでもアメーバでも、広告をつけて場所を貸してくれるところは沢山あります。簡単に作れるので、専門的な知識はほとんど必要ありません。

ブログだけでなく、SNSでもネットを使った吐き出しは多く見られますが、実はSNSやブログは相手の目に留まることが時々あり、結構危険です。

夫が何も言わずに黙っていても、長い間泳がされて、いろいろなことを書き込んでしまい、調停や裁判の証拠になったりしています。

経済的に苦しいと言いながら、おしゃれなランチを食べに行ったり、友達と遊びに行ったり、買い物をしているなどと書き込んでいると、調停の時などに「彼女はこういう風に書いているだから、経済的 DVはなかったなどと言ってきたりします。

SNSやブログに吐き出すときは、自分のプライバシーはぼかすように書きましょう。子どもが2人だったら3人、男の子だったら女の子、年齢も全く違うものにするなどの工夫をしましょう。

避難応援プロジェクト7月分が終了しました

7月1日、「モラハラからの避難応援プロジェクト〜効率よく安全に別居・離婚するための戦略会議」が終了しました。今回も定員を越え、増席しての開催でした。

毎回なぜか雰囲気が違うのですが、今回は今までなかった私学加算のご質問がでました。私学加算とは高校、大学が私立の場合、養育費に上乗せをして計算される方法です。適用されるのは高校と大学のみで、小中学校は入りません。

小中は義務教育なので、公立の学校があるにも関わらず、あえて私立に行くというのはあまり一般的でないという理由かもしれません。私立の小中学校は裕福な家の子が行くという印象です。

もっとも夫が「支払う」と言えば加算されます。ただし、算定表の金額を値切り倒す人ですから、モラ夫がそれを支払うとは思えません。

この頃チラホラあるのは「子どもが一緒に避難してくれない」というケースです。男子の、小学校高学年以上の子どもがこの傾向にあります。

ちょうど思春期なこともあり、母親に対する嫌悪がある場合や友人関係を優先する場合と様々ですが、これによって避難を考え直さなければならないことになったりします。

えいやっと、子どもを置いて避難をする方もいれば、離れられないとそのまま家にいる場合もあります。これはどちらがいいかと言われても、いろいろなケースがありますので、一概にこちらの方が正しい、とは言えません。

ただ、子どもがそのまま成長し、モラ夫パート2になって、ふたりでハラスメントを始めるケースがあったり、後々「さっさと離婚してくれればよかった」と言ったり、あの時の抵抗はいったい何だったんだということになったりすることがあります。

避難せず、辛抱強く子どもの気持ちが変わるのを待っているという方もいます。みなさんそれぞれの状態です。

今回家庭内別居をしてから離婚に持っていきたいという方がいましたが、家庭内別居は別居にはなりません。モラハラは離婚理由として認められないことが多いので、別居期間を稼いでから調停に持っていきたいのですが、家庭内別居は認められません。

また、一旦家を離れてからご飯を作ったり、掃除をするために元家に出入りした場合も別居とは扱われません。帰ってしまったら、別居期間はリセットされて、また1からのスタートになります。

つまり裁判所に離婚調停を申し立てても、相手が「する」と言わない限り離婚はできません。モラ夫は妻が離婚したがっているのにすんなり同意するわけがありません。もしあったとすれば「養育費いらない」「財産分与いらない」と、大幅な譲歩をした時だけです。

そういった様々な話が飛び交った、2023年7月のプロジェクトでした。

選ぶことを忘れてしまった

NPO法人「レジリエンス」はDV被害者支援の民間団体としてとても定評のある大きな団体です。以前私に相談をしてくださった方のお話を伺うと「これはしっかりとした心理サポートが必要」と思いましたので、レジリエンスさんをご紹介しました。

レジリエンスさんは「こころのケア講座」を頻繁に開いており、500円程度の安価な金額で自助グループの語り合いも行っていますので、まずそちらの方から受けていただこうと思ってのことでした。

ご本人は体調があまりすぐれないという基本情報をレジリエンスさん側お伝えして、語り合いの場の案内をご本人にしていただいていました。

その後、その方から当日のお話がどのようなものだったか、ご連絡いただきました。

まず、ご本人の体調が悪いとのことで、他の方が座っているパイプ椅子ではなく、大きな背もたれがあってゆったり座れる椅子が用意されていたとのことでした。

さらに語り合いの場に沢山お菓子入った入れ物があり、配られた紙コップに好きなお菓子を好きなだけ入れて席に座り、参加者と語り合いながらお菓子を食べたそうなのです。

「お好きなものをどうぞ」と言われて紙コップを渡され、どのお菓子にしようかと胸躍らせた時に、「好きなものを選んでいいんだという感情を長い間忘れていました」。

私も「家庭モラル・ハラスメント」に書きましたが、夫がいなくなった後、子どもと焼き芋を買いに行き、そこで「好きなものを選んでもいいんだ、高い、不味い、なんでこんなものを買ってくるんだ!」と怒られないんだと、焼き芋屋の熱い鉄板をのぞき込んで、めくるめく思いがしたことを思い出しました。

夫と暮らしていると選ぶのは夫が気に入りそうなもの、怒られないものだけ。少しでも怒られそうだったら手は出さない、どんなに自分が欲しくても。それがモラハラ家の普通の生活でした。

この語り合いの会に出られた方はその後離婚され、好きなお菓子をいつでも選んで食べられるようになったそうです。

普通の人が聞いたら「たかがお菓子、好きなものを買えばいいじゃない」と思うでしょう。そのたかがお菓子すら好きなものを選べない、相手の機嫌を見ながらでないと買えない。

これがモラル・ハラスメントです。

離婚の時にペットはどうする?

この記事を書いていて、前プロジェクトに出ていた「離婚の時にペットはどうなるのか」という話を思い出しました。

弁護士の解説だと、「残念ながらペットは生き物ではなく『物』として取り扱われるので、財産分与の対象になる」とのことでした。

子ども同様、家を出る時にかわいがっていたペットならば一緒に連れていきたいと思いますが、シェルターでペット可のところはごくごくわずかですし、アパートなどもペット可のところを見つけるのは難しいです。

以前「飼っているのは大型犬4匹」という方がいて、それはどうしても難しいので、犬が虹の橋を渡るまで避難は延ばして、準備期間にするという話になりました。正直避難を考えている方は、足かせになりますので新たにペットは飼わない方がよいと思います。ずっと住める家に住むようになってからの楽しみとしてとっておきましょう。

もし現在ペットがいる方は実家で預かってもらえるのならそこが一番いいですが、他にも友人知人宅に聞いてみましょう。短期ならば預かってくれる人がいるかもしれません。

私の友人は動物が好きなのですが、前に書いた通りペットがいると旅行に行けなかったり、高額の医療費がかかったり、犬ならば散歩が必要だったりするので「ずっとは無理だけど、短期で動物を預からせてくれないかなー」と始終言っています。

また、離婚の時に子どもがいる場合は養育費を要求しますが、この養育費と一緒にペットの餌代を要求したという方がいました。餌代に限らず、トイレやトリミング代、医療費保険代も要求したとのことでした。

『物』に餌や日常のケアは必要ないので裁判ならばまったく認められませんが、調停ならば話し合いなので、相手が「ウン」と言ってさえくれればどんな取り決めでもできますから、とりあえず要求してみるのもありだと思います。

40代のおしゃれな女性向けの雑誌「STORY[ストーリー]」にモラハラ特集

おしゃれな女性向けの雑誌という、もはやこの類の雑誌を手にとることはなく(美容室ではオレンジページの料理を見てるか週刊文春を見てる)、今は何が流行っているのかまったく興味が無くなった還暦過ぎたおばちゃんが「STORY」に出ました。

いきいき(今はハルメクというのだそうだ)」ではないので読者モデルではなく、モラハラ特集のコメンテーターのひとりとして参加させていただきました。

企画者の方とライターさんのおふたりとZOOMでインタビューを受けました。この頃はZOOMが多いですね。リアルでの取材とどちらかを選んでと言われたので、迷わずZOOM。

外に出なくてもいいので手軽だし、服もそのままでいいし、メイクもエフェクトを使うので、画面の私はしっかり2割増しになっている。

コロナ禍は確実に新しい日常を作り出しました。

そして記事ですが、「モラハラ受難妻」座談会があり、現在調停中の方や受難真っ最中の方など、多様な方が会話をしています。

それでも夫と一緒に暮らしていきたい方にはカウンセラーが、別居中の方には弁護士やカウンセラーが、そして離婚調停中の方には弁護士と私がお答えしています。

#私は弁護士と同じカテゴリなんですね

モラハラコミックと言えばおなじみの榎本まみさんの4コマ漫画が挿入されています。

40代の女性ならではのモラハラの悩みが詰まっていますので、ぜひ手に取って読んでみて下さいね。

戸籍の附票を取ってみよう

モラハラのある危険な家から避難した後、夫に住所を知られたくない方は多いと思います。ではどうやって転居した住所を夫は知ることができるのかを説明します。

戸籍は本籍があるところで何があったかが記されています。本籍のあるところで結婚したら筆頭者とその家族が記入されていきます。

この時戸籍には生まれた日や父母の名前、届出人の名前などが書いてありますが、住所はありません。戸籍謄本や抄本にに書かれるのは本籍の住所で、住んでいる住所はないのです。

住所を知るには、戸籍の附票というのを別に取る必要があります。そこにはその住所に来る前の住所と引っ越した後の住所と引っ越した年月日が書いてあります。

この戸籍の附票は親子や配偶者であれば委任状なしで取れるので、夫は妻や子が引っ越した先を知ることができます。もし離婚した場合は、妻は他人になりますので妻の附票は取れませんが、子どもの附票は取れますので、子と一緒に住んでいる場合はわかってしまいます。

百聞は一見にしかずで、この附票を取ってみましょう。がっつりと記載されているのがわかると思います。

ではどうやって夫がこの附票を取るのを防ぐかというと、「住民基本台帳事務における支援措置申出書」というのを住んでいる役所に提出します。

ただ、誰でも支援措置が受けられるわけではなく、DVがあったと認定された場合に受けられます。認定するのは警察や配偶者暴力相談支援センター、児童相談所等で、認めのハンコが必要になります。

この場合、警察の対応が各地バラバラで、とても嫌な思いをしたという方が大変多くいます。年1回の更新が必要ですので、更新月が来ると具合が悪くなるという方もいます。何しろ警察は犯人の取り調べが日課なので、そういう態度になってしまうのかもしれませんが、もう少し考えて欲しいところです。

逆に更新するのを忘れていたという方もいます。役所では忘れるくらい些末なことならばしなくてもいいのでは?という声がありました。

1度支援措置を受けたらずっと効力が続くようにして欲しいという声も聞かれますが、これは役所にとってイレギュラーな特例措置なので、今のところ変わる様子はありません。

支援措置はDVばかりでなく、虐待などで親から逃げたい子や子から逃げたい親なども支援措置を受けますので、相続などで親や子の居場所を知りたい場合に居所をつきとめる手段が無くなってしまいます。

ともかく戸籍の附票を自分で一回取ってみれば、どういうものなのかを実感できると思いますので、取ってみましょう。