子は親の扶養義務があるか

いつの「避難応援プロジェクト」の時だったかは忘れたのですが、「子どもは親の扶養義務はあるか」という話になりました。つまりモラ夫と別れても、何十年後かに夫が年老いて介護が必要になった時に、法的に子どもはモラ父の介護をしなければならないのかと心配されての質問でした。

民法では「3親等以内の親族ならば、余力がある場合に発生する」ことになっていますので、義務ではないけれど、「できるならやって」ということになります。つまり「できないならばやらなくてもいい」です。

実際日本ではかいがいしく親の世話をしている人がどれくらいいるでしょうか。虐待した親が自分がよれよれになってから「お前は私の子なんだから、面倒を見る義務がある」と言って近寄ってくる場合があります。

義務ではなく、「余力があったら」「その気があったら」助ければいいだけの話で、自分たちの生活で精いっぱいなのに、さらに虐待した親の面倒なんかみられないと言っても、法的には何のお咎めもないのです。

そもそも面倒を見て欲しければ、子どもが小さな頃にそれなりのことをすれば無下に突き放したりはしないものです。虐待をしておいて自分がよれよれになってから近寄ってくるなんて図々しい。

プロジェクトでは「親の面倒をみなければならないという法律はありません」とお答えしたところ、とてもほっとされました。

プロジェクトではこのような小さな疑問にお答えしていきます。今年の日程はまだ決まっていませんが、「参加してみたいなー」と思われる方には登録していただき、日程が決まり次第優先でご案内いたしますので、登録をお願いいたします。

登録はこちらからどうぞ

https://morahara.cocoon.jp/form.php

共同親権と一緒に始まる養育費の取り決めについて

選択制共同親権が来年から始まりますが、同時に養育費を取り立てる法律が追加されることになっています。

”①養育費等の請求権の実効性向上(先取特権の付与)―養育費等の取決めの実効性を向上させるために、養育費等の債権者が債務者の総財産に対して一般先取特権を持つことで、相当な額の範囲内で他の債権者に先立って優先弁済権を有することにしました(同306条3号、308条の2)。また、公正証書や審判等の債務名義を取得しなくても、「一般先取特権の存在を証する文書」を執行機関に提出することで、差押えや財産開示手続・情報取得手続をできることになりました(新民執206条 )。”

相手が他に借金があった場合も、それよりもこちらを優先して支払ってもらえる権利を得ることになりました。。が。

#借金がなかったら、今と同じってことよね

光熱水費が払えなくて止められているとか、カードでキャッシングをしている人とか、住宅ローンが払えなくなっている人とか、借金を抱えている人ならば該当するかもしれませんが、この文中の優先弁済権だの一般先取特権だのと言われても、ズブの素人がどうやれば優先弁済権なるものを利用できるのだろうか。

結局どうしてもお金を出して弁護士に依頼するしかないのではないか?

”公正証書や審判等の債務名義を取得しなくても、「一般先取特権の存在を証する文書」を執行機関に提出することで、”

ふむふむ。公正証書や家裁の審判書がなくても「一般先取特権の存在を証する文書」を出せば財産開示手続きができるということですね。

で、その「一般先取特権の存在を証する文書」とは具体的に何?離婚の時に「月に〇万円払います」と覚書を書いたものとかかな。するとそういう覚書が無ければやっぱりこの条文は絵にかいた餅になるんだろうか。

そもそもこの文を読んで理解できる人がどれくらいいるんだろうか。もう少し平たく説明してくれないと、その立場にいる人が理解できません。

ここに書きましたが、めんどくさいことをめんどくさがらずにやる人たちは、国や自治体にめんどくさい書類を出してちゃんとお金を受け取ります。たとえ不正受給でも。

めんどくさいからと放っておくと何ももらえません。だからといって、将来の日本を支える子どもたちを育てている家庭に「ちゃんと読んでわからないところは勉強して申請して」というのは酷ではないかと思うのです。

やはり養育費は当事者を債権者にするのではなく、国が債権者となって債務者から取り立てて欲しいと思います。どこの国でもそうやっているんだから。

婚姻費用はとにかく早めに

知人の弁護士から婚費に関する裁判所の考え方を聞きました。

「たとえばずっと前から生活費をもらっていなかったとしても、裁判所は考慮にいれません。『申し立てないのが悪い、またはそれほど困窮していなかったから申し立てなかったんだろう』という風に考えます。どんなに我慢して生活していても、その状態を裁判所が汲んでくれるわけではないのです」

非情に聞こえますが、そういえば裁判所は国の機関。お役所。役所は取り上げるものは有無を言わさずガンガン取り立てますが、くれるものは申請主義。自分で手続きしなければ何も手に入りません。もらえなかったと言えば、「申請しないのが悪いんだろう」と言われます。

不正受給をする人たちは面倒くさがらずにこの手続きをするからお金が手に入る。やり方がわからない、面倒だと腰を上げないと損をする。

実際私も結婚してから生活費をもらっていませんでしたが、調停で婚費の額を増やそうとして「私は今まで生活費をもらってこなかったから」と言っても「関係ありません」という一言で片づけられました。夫が結婚している間中、生活費を入れなかったことに呆れていた人たちでもそうでした。

ともかく裁判所が「申し立てないのが悪い」と考えていることがわかったので、生活に困ったいる方は悩まず即申し立てましょう。婚姻費用は申し立てた月からもらえますので、結論がは半年後だったとしてもその半年分は未払い分としてまとめてもらえることになっています。

困っていなかったから裁判所に来なかったんでしょうなんて、雲の上から言われるくらいなら、とっととやったほうがすっきりします。

支援をしすぎないのが正しい支援

以前相談員をしていた頃、先輩の方からの助言がありました。

「支援はしすぎないのが正しい支援」というものです。魚をあげるか魚の釣り方を教えるのか、どちらが正しいやりかたかということです。

被害者の方は初めてのことでわからないことだらけなので、最初はこちらから「これいりますよね」とそろえてあげますが、一通りのことが終ると、後は自分で探したり調べたりできるようにします。

自分でできそうなことに手を出すと、その方の自立を妨げることになります。「みんな被害に遭って力を削がれてしまい、本当はちゃんと力があるのにぺしゃんこになってしまっている。支援員がすべきなのは、そのぺしゃんこになった力を、元通りにする手助けをすること」なのだそうです。

何もかも手を出してやってしまうと、自分でやらなければならないのだという気持ちが失せてしまいますし、やってもらって当然、やってもらえないと「助けてくれない」と不平を言うようになります。

ただ、相手によりけりなので、「この人は力がある」と思ったら、「自分で調べてみて」「やってみてわからなかったら聞いてね」と言います。

以前PTG(Post Traumatic Growth 被害に遭った後、以前よりも人間として成長すること)」について書いたことがありましたが、ぺちゃんこになった人が「あれは自分の成長に必要なできごとだった」と思うことができるようになるまで、そばでお手伝いすることが”必要な支援”なのだと思います。

ハンガリー日本人女性〇害 日本大使館にDV被害など相談

#この〇害をわざわざ〇にしてあるのは、googleが「ころす」や「し」という文字を含んだ文章がある記事を自動的にはじいてしまうための防衛策です。英語のdieははじくのかな

ハンガリーでDV被害に遭っていた女性が、夫から子どものパスポートを取り上げられ、帰国することもできず、相談に行った警察からも適当にあしらわれ、結果〇害されるという事件が起こりました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8bfc792a6a710701353c3022643776d461ed6be9

日本大使館は警察に行くようにと言っただけで何もせず、相談に行った警察からは「これは(DVは)ハンガリーでは犯罪でもなんでもない、ばかげている」と言われて追い返され、殺人をほのめかすメールを持って相談に行っても対応してもらえませんでした。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000403388.html

外国人DV被害女性に対して非道な扱いだったとして、ハンガリーでは異例の数百人のデモが行われました。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900018234.html

おそらくこの1件の事件への抗議デモではなく、日ごろからの警察の対応に対する抗議も含まれていたのではないかと思われます。

ハーグ条約批准時に懸念されていた出来事が現実となりました。来年から始まる選択制共同親権も、何か大きな事件を引き起こされるのではないかと危惧されます。

弁護士相談30分無料のわけ

弁護士事務所の中には「初回30分無料」をうたっているところがあります。その無料の弁護士ばかりをはしごする方もいます。その30分無料の弁護士に行き、相談した方からこんな話を伺いました。

「最初は前のめりになって『うんうん』と、とても親身になって話を聞いてくれたんですが、住んでいる家が夫が結婚前に建てた特有財産とわかるととたんに冷めてしまって、『婚費ならひとりでできるから』とお断りされてしまったんです」

弁護士報酬の中で、婚費や養育費などは10%程度弁護士に払わなければなりません。婚費は普通そう長くもらい続けるものではないので敬遠されがちです。婚費だけの調停申し立てだと、苦労の割に実入りが少ないので「ひとりでもできるから」とお断りされてしまうらしいのです。

30分無料の法律相談ではこのお客がどれくらい資産を持っていて、仕事を受けた場合、どれくらい自分の懐に入ってくるかの品定めをする時間でもあります。

けんもほろろな扱いをされて悲しい思いをするよりも、最初から引き受けてくれるような弁護士を探しましょう。男女参画系の弁護士さんなどは、財産が無くても、困難なケースでも引き受けてくださいます。

そういう人はどこで見つければいいのかというと、HPの弁護士紹介のところに「〇〇区男女参画委員」などと書いてあるとそちら系の方です。

ただ、弁護士に依頼すると当然着手金や成功報酬は発生するので、丸々受け取りたい場合は弁護士に依頼しないもありです。

ただ、モラ夫の場合は相当手ごわいので、依頼した方が精神的に軽くなるとは思います。

久しぶりのモラハラ攻撃

先日久しぶりにモラハラ攻撃を受けました。ナニ、元夫からではありません。ちょっとしたクレーマーです。若い男で大体の境遇を知っていましたから、なぜこれだけ些細なことで腹をたてて怒鳴り散らすのかは、長年のモラハラ研究でわかっていますので、それほど心臓バクバクということはありませんでした。

大声で怒鳴り散らし、自分を大きく見せて、相手のちょっとした言葉の使い方に突っ込みを入れて謝らせ、自分を優位に立たせたい、謝らせたいという目論見がもう手に取るようにわかりましたので、もはや観察です。

なんだか小さな男が一生懸命喚き散らしてるな~と思いながらお相手していました。ここで説明やら説得やらを入れるとそれは反抗と相手はとらえて話がややこしくなりますので、まぁ、相手の言い分にとりあえず従うしかない。

長くつきあう相手でもなし、短くつきあって後は知りませんの相手ですから、相手がどうなろうと知ったこっちゃない。

わずかな時間のおつきあいですから私はこれでいいのですが、この人と一緒に暮らしている方はさぞご苦労なことだと思います。些細なことで怒鳴り散らし、自分は偉いのだとそっくり返り、さんざん怒鳴った後で小さな家に帰っていく男。貧しい食事をしている男。

一生不幸なままで生きていろ。

ストレスは万病のもと

先日のプロジェクトで「避難後、病気への対策はどうしたらよいか」というご質問をいただきました。プロジェクトには避難経験者が毎回3人参加していますので、3人の回答はみんな同じでした。

「避難前は体のあちこちが悪かったり、服薬しなければいけないほどのうつ状態だったりしたけれど、避難後はからっと治った。病気だったことを忘れていたくらい」

多分質問した方は今体調が悪いので、避難した後寝込むようなことになったら困るということで質問されたと思いますが、そこにいた元被害者全員が、「夫から離れたら健康になった」という回答になりました。

今、モラハラ家庭にいるから病気になっている場合も多くあって、その原因がストレスによることが考えられます。実際私の氷食症や貧血は離れたとたんぱったりと無くなりました。

# もひとつ言うと、仕事を辞めたらもっと健康診断の数値がよくなりました。よっぽどストレスフルな職場にいたんだな

質問された方は持病があって、お金がかかるから避難をためらっているということだと思いますが、経験者たちはみんな「離れたら病気が無くなった」と証言しているとおり、ストレスから解放されると病気がなくなるという話はよく聞きます。

多額の医療費がかかるならば、お役所に相談してみましょう。

久しぶりに働こうと思っている方へーちょっと小耳に

今まで専業主婦の方がモラハラの家から避難する時に考えるのは、「どこで働こうか」「何をしようか」ということだと思います。正直、「避難してから久しぶりに働きます」というのはかなり冒険ですし、ご本人も無茶が好きな方は別にして、不安が大きいと思います。

そういう方はまずは同居している時にパートから始めるのがよいと思いますが、そう言うと「夫はその分生活費を減らすと思います」と後ろ向きになる方がいます。

いいんです減らしても。とにかく前に進むためには一時辛抱しましょう。そもそも避難したら夫の稼ぎは入って来ず、今までと違う経済状態になるのですから、その練習と思いましょう。そして自分にあった職種はどういうものが良いか吟味しましょう。

私はずっとフルタイムで仕事をしてきたので、派遣の仕事ということをしたことがありませんでした。東京に来てアルバイトに毛の生えた仕事を得たのはいいのですが、通勤に片道1時間半かかりました。しかも慣れない満員電車。座れない。

ずっと立ちっぱなしの電車から自転車に換え、家にたどり着くのは20時。

それまで通勤と言えば車だったので、仕事よりの通勤で疲れました。

仕事が始まって1カ月くらい過ぎた頃。ふと、これは通勤時間も時給に含めるべきではないかと考えて計算すると、その会社は若干時給の高いところだったのですが、往復3時間を労働時間に加えると、普通の時給よりも下がる。

疲れた上に時給換算したら低くなるのは損ではないか。トイレに行くのも手を挙げて「トイレに行きます」と言って行かせてもらうのもなんだかなーと思っていました。

そこで登録しておいた派遣会社から流れてきた求人募集で近場の仕事を見つけ、「親の介護をしなければいけないので」と言ってその会社を退職し、自転車で10分の仕事場に鞍替えしました。

仕事が17時に終わって自転車で10分で家に帰れる!なんて楽ちんなんだろう!しかもその仕事場はソフトドリンク飲み放題だったのです(⌒∇⌒)

時給は安いけれど、体にはとっても優しくて居心地のよいところでした。

給料は低くても、通勤時間や職場の環境を優先した方が長続きします。当然時給が高いよりも月給制の方が土日祝祭日に関わらず安定した収入になるので、月給の方がよいことはもちろんです。私はこれすら知らずに仕事探しをしていたので遠回りしました。

あれはインフルだったのかの思い出

こちらの続きです。

結婚していた頃、大きな病気に罹ったことはなかったのですが、それでも風邪をひいたり腹痛になったりということはありました。ただ、具合が悪いと夫の機嫌が悪くなるし、悪いと知れると「なぜ気をつけないんだ!」「寒い恰好をしているからだ!」などと責められるばかりなので、病気のことを悟られないよう気をつかわなければなりませんでした。これはどこのモラハラ家庭も同じかと思います。

病気で気が滅入っている時に心配どころか責められるという、今考えると人道的にどうなんだという生活をよくしていたと思います。

気をつけようにもフルタイムの仕事と家事とふたりの子どもの世話で自分の体のことなどに気をつける余裕もなく、ただ、ひたすらに夫の機嫌を伺いながら日常の仕事を回していましたが、ある日熱っぽくなり病院に行きました。

39度以上の熱だったので、座薬を出してもらいました。あの頃はそれほどインフルエンザに対する関心がなく、インフル=風邪みたいな扱いでしたから、今のように「検査しましょう」ということもありませんでした。

私に与えられた使命はただひとつ。今日家族が寝るまでにいつもと同じように食事を作って洗濯をして、翌日の朝食の準備をしてという家事を滞りなく終わらせること。そのためにはとにかく動かない体を動かすようにすること。だから解熱の座薬でした。

とにかく薬で熱を下げ、家事を終わらせて布団に潜り込むと体中が痛い。節々が痛みでギシギシいう。「いたたたたた」と言いながら寝返りをして、「いたたたた」と言いながら起き上がり、「いたたたた」と言いながら服を着る。

これが今回と同じでした。高熱と関節痛。あれはたぶんインフルエンザだったのでしょう。インフルエンザだろうがコロナだろうが、どんな病気でも寝込むことは許されなかったあの頃を思えば、ゆっくりと寝込める今は天国です。

病気になったら寝るんです。家族がいたら介護してもらうんです。それは普通の家なら当たり前のことです。

新年早々ですが、もしこういう生活を続けている方がいらっしゃいましたら、すぐにでもこちらへ連絡してください。きっと解決策があります。

https://soudanplus.jp/