3月9日付朝日新聞デジタルに「『毒親の介護したくない』40~50代の依頼殺到 葬式や納骨も代行」という記事がありました。
https://digital.asahi.com/articles/AST352Q3RT35ULLI002M.html
余談ですがこの「殺到」という言葉。特に「殺到」していなくても、ちょっと増えただけ、今だけ多いという場合も「殺到」と書いたりします。モラハラの場合も「モラハラが急増中」と何度書かれたことか。
# いまだに急増中と書かれている
別に急増しているわけではなく、昔からあったけど「亭主関白」などという言葉にひとくくりされてしまい、精神的DVではわけがわからず、結局「モラハラ」という言葉で自分が受けているのはDVだと思い当たる人たちがそれこそ「急増」したからに他なりません。
まぁ書く人たちの定型句なのでしょうね。
”代表理事の遠藤英樹さん(57)によると、相談件数は月60〜100件。多くが団塊世代の親を持つ40〜50代からで、以前は女性が約8割を占めていたが、この半年で男性からの依頼が「急増し」、最近は半々になった。依頼してくる人の事情はさまざまだ。親から電話やメールが来ても返さず、住所も伝えていないという人も少なくない。原因で一番多いのが、「教育虐待を受けていた」という訴えだという。”
教育虐待は親が「子どものために」と思っている分、面倒くさい。「子を思えばこそ」「心を鬼にして」子どもに勉強を強いる。私もそうだったことがありますから、何も言えないかもしれません。
地方では入る高校の名前で一生が決まるというのはあながち大げさではないからです。履歴書に書く高校名で振り分けられる。まぁ、都会も大学名で第一次は振り分けますから同じようなものですが。
ともかく記事によると
”この半年で男性からの依頼が急増し、最近は半々になった”
”原因で一番多いのが、「教育虐待を受けていた」という訴えだという”
”「団塊世代の多くが、バリバリ働く父親と専業主婦の組み合わせ。父親はほとんど家に帰らず、母親が子どもの教育やしつけを引き受けてきた。こうした親から『女の子でもキャリアをつけないと駄目』などと厳しく教育されたケースが多い」”
昔は「早くいいところにお嫁に行って、いい肩書の男を見つけて結婚して、人に自慢のできる孫を産んで」でよかったのに、さらに『女の子でもキャリアをつけないと駄目』という重圧を受けてきた人たちが親との断絶を望んで業者に依頼しているとのことです。
退職サービスが話題を呼んでいますが、親との関係のサービスとはどういうものかというと、
”サービスは、介護や買い物代行、掃除といった日常生活の支援に加え、病院からの緊急呼び出しへの対応、亡くなった後の葬儀や納骨の執り行いまで含まれる。 契約年数は平均2~3年で、総額100万円前後の支払いになることが多いという。”
決して少なくない金額を払ってでも親と断絶したいという人たちと、当然年を取ったら至れり尽くせりしてきた子どもたちから(と本人は思っている)ぴったりと寄り添って介護してもらえると思っていた親たちは、当てがはずれて他人に遠慮しながら身の回りの世話をしてもらううのか。
でも、とりあえず親の面倒は見なければならないと思っているのでお金を払うというのはまだマシだと思います。何もしないで放っておかれて、自分で役所にお願いにいくよりもずっとずっとマシです。
そこは教育を受けさせたことによって、総額100万円を払える職業につけたというのは、がんばったかいがあったというものではないでしょうか。