まっち~の完全突然脱出マニュアル
これを書くことは以前から考えていました。
「脱出」を決意したあの日、泣き崩れた顔をほんの少し上げたあの日 「さてどうしよう・・・」一体何から手をつけるべきかわからなくなって・・・ 不眠不休とは大げさですが、実際この頃は次のことを常に考えながら動いていたので フルで体も頭も回転させていました。
年末だったこともあり、手当たり次第捨てることから始めてみました。 「最後の家族旅行」も行っておくべきと決意し、嫌がる夫を無理やり連れて 温泉旅行へ行きました。大掃除は例年よりも念入りに、徹底的にやりました。 年が明けてから、引越しの準備にとりかかり、1月の末には部屋の鍵を手に入れていました。
2月の半ばに引っ越すはずが3月になったのはアクシデントのせいで、 それでもかなりスムーズに事は運んだと思います。 人それぞれの脱出の形があると思いますが、私の場合の脱出とその段取りについて ご参考までにご紹介したいと思います。 DVの方の脱出時にも参考にしていただけると思います。
新居の準備編
①新居の準備編 「完全突然脱出マニュアル」一度目の今日は、「新居の準備」編です。 脱出を考えている状況と、実際に部屋を探しに出る状況とはかなりテンション的 に差がありますね。 もう本当に出て行こうと思ったとき、まずは脱出先の確保でしょう。
一般に、賃貸住宅を借りる場合、保証金・家賃一ヶ月分・業者の手数料(だいたい1ヶ月分)が 最初に必要な費用となります。あらかじめそれを計算に入れた上で業者を訪問しましょう。 不動産業者はその地元で長く商売をしているところか、もしくは大手が良いと思います。
案内は室内で二人きりになることも多く、トラブルも少なからずあるからです。 物件はできるだけたくさん見た方がいいと思います。今日決めて欲しいなどという言葉には 一切乗らなくて良いのです。
案内の最中に業者が「どうしてお住み替えですか?」「ご主人のお仕事は?」などいろいろと 質問を投げかけてきますが、これは「夫の両親と同居中だが、折り合いが悪いから引越ししたい、 ついては両親には部屋探しをまだ内緒にしているため、家への連絡はしないで欲しいし、 日中私の携帯が繋がるときにだけ連絡をして欲しい」
「夫はすごく気難しい人だから私に連絡して欲しい」
「ここには夫と、私と子供とで住みます」
とあらかじめ逃げを打っておくことです。※くれぐれも夫に直接連絡が行かないように、注意します。 母子家庭で、専業主婦だと収入証明があげられず、はねられるケースが多いので、 ここは夫の名義でとりあえず借りることを私はお勧めします。あとで名義の変更はできますし、 実際家族で住むはずが夫だけ入居が後になるなんてのはよくある話ですので。
ただし、住んでいる地域等の問題で、夫に露見する可能性があると思ったら、素直に母子家庭だと言ってもいいと思います。事情が事情だけに情報等も守ってくれるでしょう。 物件を決定する前に、「この物件はリフォーム前です」だったり「美装して引渡しです」などと 現状は汚いが、きれいにして引き渡すなどの条件がついた場合は、できるだけ 先に内装をしてもらってその状態を確認してから、契約したほうがいいと思います。 家主の美装・内装の思っている範囲と、借主の思っている範囲が微妙にズレていて トラブルになるケースもあるからです。
物件が決定したら、次は契約というところですが、その前に審査がある場合があります。 契約に必要な書類と一緒に、審査に必要な書類が言い渡されます。
※ 業者の中には夫に連絡するところもありますので【くれぐれも注意です】
用意するもの
夫の源泉徴収票
家族全員の住民票
保証人の印鑑証明・収入証明
印鑑(契約は認可)(保証人は実印)
などを提出するよう求められるケースが多いと思います。
夫の身分証明書のコピーを要求することもあると思います。 私は夫の免許証を言われたので、夫が寝ている間にコピーしました。 保証人は私の場合自分の父親になってもらいました。審査が終了したら次は契約です。契約は、「夫が忙しいので・・・」と契約書を持ち回りで してもらえるようあらかじめ依頼しておきます。持ち回りというのは家主と直接顔をあわせずに 書類のデリバリーのみで契約を終了させる形をいいます。 契約書は「送ってもらうのは具合が悪いので・・・」と言い、自分で取りに来る旨伝えます。 双方の署名捺印がなされれば契約の締結となります。
契約の締結と同時に、先ほどの保証金・家賃1ヶ月分・仲介手数料の支払い・鍵の引渡しが 行われます。これでようやくあなたも「自由への鍵」を手に入れたわけです♪
鍵を手に入れても、すぐに住めるわけではなく、 電気ガス水道の手続きを事前にしておかなければなりません。 他市への脱出であれば、その地の電話帳を手に入れると楽ですが、 事前に不動産屋で電話番号を聞いておくのもいい方法だと思います。
契約が済んだら手配をして、入居に必要なモノを買い集めます。 まず一番に何が必要かというと「カーテン・電気・トイレットペーパー・雑巾・バケツ」です。 私はこれを新居5点セットと呼んでいます。 とにかくカーテンがないと物騒だし、電気がつけられないし、 とりあえず電気がないと夜大変なことになります。
掃除をするのにバケツと雑巾が要るし、トイレに入りたくなっても紙がないと入れません。 というわけで、この5点は一番最初に買う必要のあるものです。 (家にあるものでももちろん構いません) バルサンを炊きたい人は、早めにしておくといいです。食器を運んでからだとできません。 5点セットが揃ったら、次はコーヒーカップとおやかんを買って、コーヒーを淹れて 一人、「自由の味」を楽しんで下さい。 私はこの「自由の味」を飲んだとき、泣きました。顔にはプロテクターを貼ってました。
新居での準備品としては当面、消耗品については新しいものをガンガン 買っておくといいと思います。 当日そのようなものをいちいち持ち出している時間はないからです。 次は②市役所へ行こう編 です。お楽しみに。
市役所へ行こう編
契約の準備と前後して、今住んでいる市役所と次行く市の市役所にも 事前に相談をかけておきましょう。 女性センターもあれば行って相談してくるといいと思います。 まだ母子家庭ではなくても、世帯主となる場合は児童手当は受給できます。
住民票を移すと夫に住所を知られ面倒な場合は、当面住民票は移さなくてもいいですし 今DV法のお陰で「DVによる引越し」の場合、夫が引越し先を知ろうとして 住民票を請求しても発行されないようになっています。
勤務先や保育園等の関係で どうしても住民票を移さなければならない場合、その辺りも徹底して事前に調査しておきます。
市の担当の人はちゃんと「名前を教えてください」と尋ねて、ちゃんと名前を控えて帰ると 次来た時にまた一から話さなくてもいいですし、きちんとした対応をしてくれると思います。
母子手当については残念ながら、「悪意の遺棄」があってから1年間となっていますので 引越し前後に受けられる補助制度ではないと思います。
専業主婦の場合は事情が事情ですし、生活保護が受給されるかどうかも、 あらかじめ保護課に相談するといいと思います。 考えうる全ての課には必ず事前相談をかけて、名前を控えておくのが基本です。
小学校の転校等がある場合は、小学校にも相談をかけなければならないですね。 ついでなので近い将来になるか遠い将来になるかわかりませんが、 母子家庭になれば小学校の学費はどうなるかなどの、事前調査もしておくと 先の生活の目処が立っていいと思います。
また、私は事前にこれはしなかったけれどしておけばよかったと思ったのは 弁護士への相談です。夫の給料明細や源泉徴収票は念のためコピーをとっておいて下さい。 「婚姻費用請求」と言って、夫が生活費を支払わない場合、この書類の存在が 有効になってきます。夫の収入をもとに婚姻費用が算出されるからです。
夫婦には相互扶助義務があり、別居中の妻が無収入であればその生活費を夫が支払う義務があります。(不貞により家出をしたなどの場合は適用されない) よって、夫が生活費を不払いしてくれば、家庭裁判所に「婚姻費用請求の調停」を申し立てる ことができるし、急ぐ場合は「婚姻費用請求命令」を出してもらうこともできます。
夫がこれを無視した場合は給与の一部差押もできるようになっています。 (実際そこまでいくケースは稀らしいですが) これは家庭裁判所もしくは弁護士に事前に相談しておくと、より心強い部分かと思います。
幼稚園・学校に連絡しよう編
突然引越し・別居をするわけですから、夫が突然何をするかわからないと思う方 も居ると思います。実は私は一番怖かったのがコレでした。
引越しを知った夫が、お金をそんなことに使ったということやそんなことよりも 当面当日は子供たちの奪取の可能性があると思ったからです。
いまどきの幼稚園は施錠されているので、めったなことでは部外者は入れませんが 夫は部外者でもなんでもないですよね。
そのときのために、事前に幼稚園・学校に相談をかけておくべきだと思います。「引越しは済んだが子供たちは連れて来れなかった」なんてことにならないように。 私は事前に担任の先生と、学園長に面談し、こういう理由で夫が来ても子供たちを 渡さないよう、もし暴れたら容赦なく通報してもらって結構ですと 一筆入れておきました。
幼稚園は教育委員会の管轄なので、場合によってはさきの市相談の際に 上から話を通しておくと園側もとてもやり易いかもしれません。
引越し準備編
部屋は借りた、各方面への相談もかけた、あとは実務的な引越しの準備です。 脱出まであと少し、です。 要らないものをとっとこゴミに出しながら、人にあげたりしながら、 部屋中を片付けるという名目でとっとこ整理していきましょう。全部持ち出してあとでオークションで売ってもいいと思います。
目立たない季節用品などは、車があれば事前に持ち出すようにします。 クリスマスツリー・浴衣・水着・衣類・自分の思い出の品等です。
私のもと居た家の夫婦の寝室には大きな押入れがありましたが、 引っ越す当日までにそこは衣装ケースだけを残して空っぽになっていました。
「ようゴミ出してるなぁ」と言われたら「身辺整理してるねん」 と言っておきました。
普段は使わない中華鍋や、「引き出物」系の進物や、とにかく当面いらないものは どんどん運び出しましょう。「事前に持ち出すものリスト」「当日持ち出すものリスト」「新たに買うものリスト」 「引越し当日から要るものリスト」を作り、綿密にチェックしたほうがいいです。
引越し当日から要るものリストとしては ・炊飯器・米・まな板・包丁・洗面用具・入浴用具・着替え・ふとん 等です。 私はすぐ全員が眠れる状態に寝具を整えてから、引越しの準備を始めました。 当日はできれば近所の友人に手伝いに来てもらって、荷物を梱包したら即清掃等を 依頼するとスムーズだと思います。
実際全て一人でするのは難しいかも知れません私は近所の友人に来てもらっていたので、本当に助かりました。 身内に協力を要請するのもいいと思います。
引越し先の荷物を引き受けてくれる人がいるだけでも全然違うと思います。 その場合、ちゃんとダンボールに和室①台所等書いておけば荷物が あっちこっちへ行かずに結果自分が助かると思います。
くれぐれもすべて夫に気づかれないように・・・ことを運んで下さい。 DV・モラ夫はどこか敏感なところがあって、こちらもピリピリしてしまっていますから それが伝わる場合があると思います。 私はあと数日で引越しというときに、鼻骨を折られました。 最後まで気を抜かずに、徹底的に普段どおりで過ごして下さい。たくさんの方がこうして突然脱出していること、肝に銘じて 安全で確実な脱出を果たして下さい☆