法廷でモラル・ハラスメントがでた日

離婚裁判を傍聴しましたが、原告(離婚したい側)が男性の時の方が多くありました。モラハラ被害者同盟では「妻が離婚したいのになかなかできない現状」に歯噛みすることが多かったのですが、私が傍聴したケースのうち、夫原告(離婚したい)が2件、妻(離婚したい)が1件でした。

3件ともモラハラと思われる行為が夫、または妻からあり、離婚請求となっていました。その中で、「あなた(夫)は妻に対してモラル・ハラスメントをしていたという自覚がありますか?」と弁護士が問う場面がありました。

もう、心の中で喝さいしましたね。

裁判所の中で「モラル・ハラスメント」という言葉が出て、それがどういうことか説明するわけでもなく、裁判が続いている。つまり、説明しなくてもモラハラはほとんどの人が知っている言葉だということです。

苦節17年(笑

こんな日が来るとは思えなかった17年前。法廷の中でもうモラハラは「浮気」と同じように、普通の離婚請求理由になりました。

傍聴した裁判ではモラハラチックな具体例が次々と本人尋問で語られ、それが離婚理由ということは、モラハラという言葉が登場する前から法廷では「相手から精神的な暴力を受けため、体が不調になり、耐えられないので離婚します」ということが語られていたということになります。

モラハラと言う言葉が出てきて、それを解説する書籍がたくさん発行されたり、メディアで扱われるようになり、「どうやら今までのアレはモラハラというものだったらしい」と、裁判関係者には伝わっているようです。

ただ、だからと言ってモラハラを受けたから何か賠償金があるかどうかはまた別の話です。一番気になったのは、夫が離婚を求めていて、妻が拒否しているケースです。拒否している妻は「自分はモラハラを受けていた」と、数々のモラハラあるあるエピソードを語っていましたが、「離婚はしません」「生活が不安なのでしません」と言う。

「こんなにひどいことをされていた!」と訴えながら、「離婚はしません」と言う。当然夫は「事実無根である。そのようなことはなかった」と言います。つまり、モラハラがあったとしても「改善はない」。でも、妻は離婚したくない。

別居から年月が経っていれば、離婚は認められるでしょう。いくら「離婚したくない」と言っても、離婚判決は出ます。

裁判は離婚したい方が圧倒的に有利です。別居期間さえ長ければほぼ確実に認められる。そういうものだと思ったほうがいいです。