奨学金は借金か

yahooのニュースに奨学金についての記事がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3c1a3a526dbf3c4be2475f9abd45845f248281a8
大学生の「5割」が奨学金を利用!40年前と学費は「15倍」に!?

独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査結果」によると、日本学生支援機構を始めとした何らかの奨学金を受給している大学生(昼間部)の割合は49.6%でした。”

ほぼ半分の学生が奨学金を借りているとのことです。私がふたりの子どもを育てている時の周りの人の話では、この「奨学金を借りる」ことについて、全部が全部資力がないというわけではありませんでした。

資力以外のことというのは

1 アメリカは奨学金で大学へ行くというじゃない。勉強したかったら自分のお金で行くべきだよね。

2 自分のお金で行かせた方が熱心に勉強するかと思って

3 地方に住んでいるから、お金は仕送りと学費のふたつがかかる。さらに下の子どもたちもいる。仕送りは何とかがんばるから、学費はとりあえず奨学金を利用して頂戴

こんな感じでした。

3の場合は、学校を卒業したら奨学金の返済は親が行う、という家もありました。

1のアメリカは~ですが、ちょっと問題ありなのは、アメリカの場合、いったん就職してお金を貯め、貯まったら学校へ行くという道が一般的ににあります。日本の場合は昨今変わってきたとはいえ、新卒の就職に失敗したら、その後の人生が大きく変わってしまうという事情があります。

もちろん優秀な人はその部類に入らず、いつからでもどこからでも就職だろうが起業だろうがどんな道でも開けています。でも、それは一部の人で、やはりまずは大学から就職へという安全な道を選ぶ人が多いのではないかと思います。

つまり社会制度が違うのです。違う制度の国の話を持ってきても、日本であてはまらないことがあります。

2の人は結構周りにいました。親は大学の学費を出すくらいのお金はありましたが、自分で返すとなると一生懸命勉強するだろうという、親の希望的観測の元での選択ですが、さてそれは子どもはどうとらえるか。

18歳の、これから4年間大学生をする子がそれで一生懸命勉強するとは思えない←我が子ならばそうです。多額の奨学金を借りて進学したものの、特にそれで気持ちがしゃっきりして勉学に勤しむということはあまり期待できないのではないかと思います。

”就職したら返せばいいんでしょー。長ーく少しずつでしょー。月1万円程度だよね♪”と軽く考えている学生がとても多いように見えます。

新卒のお給料は安いです。2年目に税金やら社会保険料やらが組み込まれると、がっくりするほど安くなります。その中での1万数千円はとても痛い金額です。

若いということは欲しいものも多い。そろえなければならないものも多い。毎月の1万数千円がずっしりと重く感じられるでしょう。就職先がマッチングせず、早々と辞めてしまう人もこの頃は多いですが、それでも奨学金の支払いは続きます。滞納した場合は強制執行です。

だから、奨学金は言葉は美しいですが「借金」なのです。

さらに結婚後、収入を得られない専業主婦になった場合、その借金は誰が返すのかという問題になります。

私は相談員をしていて、この問題を時々伺うことがありました。結婚する前は「一緒に返していこう」と言ってくれた夫も、キチキチの家計の中での奨学金の重さにいらだつことがあります。

「でも、奨学金は彼が返してくれるって言ったんです」という方もいますが、結婚前のほとんどビョーキの状態で言ったことは、もうこうなると「あれはうわごとだった」です。

結婚前のカードローンも奨学金も一緒に借金です。毎月10万の奨学金を借りると卒業時には480万円です。20歳を少し出た若者が、学校を卒業したとたん480万の借金を背負っているというは相当重いです。

できれば奨学金は目いっぱい借りるのではなく、補填程度にしておきたいですね。