死ぬわけじゃない

私が何かアクシデントがあった時、確かにその瞬間は「こりゃー大変だ、どうしよう!」と思います。「どうしよう、どうしよう、どうしよう」と部屋の中をウロウロするときもあります。そういう時は取り合えず時間をおいてからじっくりと考えることにしています。

そうすると「こうしたらどうだろう」「こういうこともできるんじゃないか」とアイディアが出てきます。アイディアが出てくるとなんとなく解決の方向が見えてきます。そうしたら後はやるだけですが、どうしてもできないこともあります。そんな時に思うのは

#これで死ぬわけじゃない

大きな損害は被ったけれど、これで死ぬわけじゃない

いやいや、死んだ方がマシという人もいますけれど、じゃ、死にますかと言ったらそうは言わないでしょう、普通。死んだ方がマシというフレーズを出しているだけで、本当に死のうとは思っていないはず。死んだら楽かもしれませんが、大抵は何とか乗り越えるものです。

こんな時に役に立つのは経験則です。私の年になればいろいろな経験則があります。過去に起きた出来事が私を救ってくれる。だからいっぱいいろんなことをして、いっぱい失敗した方がいい。道に迷った時も、いつか同じ道を通るから「あの時はこちらに行って失敗したから、こちらはダメ。こっちにしよう」という考えが出ます。

私はウロウロと知らない道に行くのが好きですが、不思議なことに後からその道に出くわし、しかも時間がなくて急いでいるということがよくあります。でも、前にその道は行ったことがありますから、見覚えのある建物や看板を目印に目的地にたどり着くということが数限りなくありました。

この急いでいるときに私を助けるため、過去の私が迷ったのだと思います。時間のある時に迷っておけば、いざというときに過去の私が助けてくれる。

どんなことでも最後の出てくるのは「これで死ぬわけじゃない」。死ぬのはもう少し先でいい、って思います。