モラハラの変化

私がモラハラ被害者同盟を作ってからもう18年が経ちます。0歳で生まれた子どもがもう高校3年。大学受験をしようかという年数です。この間に家族の形態がだいぶ変わってきました。

20年前は社会的DVというと、妻の縁戚や友人などとの交友を絶たせたり、「働かせない。家から出ないように始終電話をかけてくる」という意味で使われることが多かったのですが、この頃は様相が変わってきました。

#妻が家から出ていないか、電話を(当然固定しかない時代)1時間置きにかけてくるなんていう家もレアでなくありました。ああ、時代を感じる

ところが月日が流れ、終身雇用制が崩れ始め、男性もいつまでも今のところに勤め続けることができるのか、不安を抱えて働く時代になりました。給料も昔は定期昇給したものですが、今は働きに応じてランク付けされ、時にはランクダウンすることもありますし、働き方改革で残業が減り、受け取る給料は目減りする一方になっています。

この頃よく聞くのは「妻に働いてくれと言っているのに、なかなか働こうとしない」という夫たちの嘆きです。逆に妻側から「夫から働くように迫られて、時には怒鳴られたりする。モラハラだ」という声もあります。

妻側がなかなか重い腰が上がらないのは怠けているわけではなく、長い間働いていないので不安が大きいということが一番なのだと私も感じています。「パソコンも使えないし、職場でいじめにあったりするのも怖いし」という不安です。

そのほかに夫側も「働くなら家事も手抜きをせずにちゃんとすること」などという、これはもうダブルバインドだろうという、相反する指令が飛ぶこともあります。働け、しかし家事もちゃんとしろでは妻はとてもじゃないけど働きになんか行けません。

妻が働きに行くとなったら、家事は「手伝う」のではなく、半分以上は夫がするくらいの気合でやってもらわないと、家事は毎日行わなければならないことが山積みなのです。

その昔は「新聞を取りに行く」というのが夫がする家事でしたが、今は新聞そのものが無くなっていきつつあるので、こちらの方は仕事の方が無くなってしまった例。

「妻にはパートではなくもっと働いてもらいたい。ボクだってちゃんと家事は手伝ってますよ。ごみ捨てはボクの担当です」と言われた日には力が抜けてしまいます。ごみ捨てを家事だと思っている夫に家事をとはなんぞやをどう理解させるか。

働くことに腰が重い妻ばかりを責められないなぁと思います。