昼逃げ編

電話相談で熊谷さんと話をさせてもらい、 そこから毎日大量だった物を減らし、引き出しの中のものは いつでも持ち出せるように袋に入れたり、衣装ケースを 用意したり、少しずつ脱出の下準備にかかりました。

その後、モラの破壊活動、無視無言がより激しくなり、 限界が近づいていました。 一部の衣装ケースも割られてしまいました。 恐怖心から、警察でDV保護支援措置の申請、市役所で世帯分離の 手続きをしました。

問題は荷物をどこに運ぶか。

レンタル倉庫も検討しましたが、意外と費用がかかるので、 遺品整理業者にお願いして、 一気に実家の倉庫を空にしてもらいました。

昼逃げの際は、引越し業者に依頼、作業時間約50分。 作業スタッフの方には、物が壊れても責任は問わないので、 とにかく短時間で済ませたい旨を伝えました。 当日、割れ物以外の物は中身が見えるビニール袋に入れて 運んでもらいました。 段ボールは、落ち着いてからの保管用に貰っておきました。

倉庫に物を置けるようにしておいたのは正解でした。 単純に運ぶだけの作業で、引越し費用も抑えられました。 引越し屋さんのオペレーターさんがすごく理解のある方で、 昼逃げ、離婚脱出を励ましてくれたのも良かったです。

まずは物を減らすことと、置き場を作っておくこと。

今思えば、モラハラ下で思考停止状態にあると、 何から始めたら良いかすら、わからなくなるものです。

脱出後の日々編

マニュアルのように、モラは追いかけてきました。

モラは、私の実家や仕事場を監視するかのように車でウロつく ようになり、ストーカー化? 車の中にいるだけで、何をするわけではないので、 警察は呼びませんでした。 因みにその車は私のもの。

恐怖心から、実家に居るように見せかけ、 実際は仕事場に泊まったり、市内のホテルに泊まりながら 仕事を続け、長期休業の目処をつけて、他県へ避難。

避難して少しホッとしたその頃から、 同じような車が近づくと動悸がしたり、部屋の ドアの開閉音にも過敏になり、PTSDを発症しました。 そして 「なぜ、自分がモラから逃げているのか⁈」と 怒りのような哀しみのような、なんとも言えない複雑な心境にもなりました。

とにかく、一刻も早く離婚してスッキリしたい‼︎

そして何としても息子の養子縁組の解消もしなければ‼︎

という思いから、とあるツテから弁護士を雇い、 まずは、車を取り戻すことに。 車がなくなれば、ウロつきもしなくなるだろうと。 約1か月後。 弁護士を通じて、車を取り戻し、即売却。

車の次は、息子の古い学用品など。

昼逃げの際は自分のもので精一杯。 既に息子は成人して他県で働いていることもあり、 息子の古い物まで手がまわりませんでした。

なので、改めて 弁護士から息子の物の運び出しの通知をしたら、 拒否されました。 モラ曰く 「そんなに大事なものなら なぜ、全部いっぺんに持っていかなかったのか?」 「本人が取りに来い」とのこと。

それから、モラから手紙で 弁護士抜きで会って話しがしたい、だの 弁護士とは話したくないから直接メールした、だの 謝まるから戻ってきてくれetc.

挙句、モラは弁護士相手に嫌がらせを始めたため 調停の申立てをする運びとなりました。

昼逃げから3ヶ月が過ぎていました。

調停離婚と養子縁切り編

私の場合、自分の離婚だけではなく 再婚した際に、ひとり息子を養子縁組していたので、 「養子縁組の解消」と二本立ての申立てが必要でした。

息子の実父とは、相手の転職後から経済的に立ち行かなくなり、私と幼い息子が実家に戻り、その後、協議離婚。 市役所には一緒に届けを出しに行き、別れました。 ちなみに、モラハラはありませんでした。

今、実家には誰も居らず、頼れるのは自分と弁護士。 モラは、私との離婚には応じても、養子縁組解消には簡単には応じない様子でした。 なぜなら、相手は典型的なモラだから。 ただの嫌がらせなのです。 再婚の際、養子縁組したことを、心から後悔しました。

有難いことに、亡父が遺した現金が弁護士費用になりました。 何がなんでも、息子共々、脱出するのみ‼︎ 亡父が何より可愛がっていた孫。 裁判で縁が切れるのなら、そのお金は惜しくはありませんでした。

しかし!

弁護士からの辛辣な申立て書を見て、凍りつきました。 モラ夫のモラハラの数々の他にも、かつての親族からの暴言で、私が体調不良になった事etc. これを読んだら、モラは激怒するだろう…と容易に想像できるものでした。 調停までの1か月が、とても長く感じられました。

そして、調停の日。

モラからの答申はなかったとのこと。 モラが来るのか?来ないのか?

息子も仕事を休んで出頭し、私と弁護士の3人で、申立て人の控え室に通されました。 二人の調停委員からは、本人の意思確認と現在の生活状況を尋ねられる程度で、特に突っ込んだ話はなく、親子一緒に30分もかかりませんでした。 弁護士同席という時点で、それが「よほどの事」であったと理解してもらえました。

そして。。。

時間差で、モラが出頭、離婚にも離縁にも応じる、 息子の物品はいつでも持ち出し可。との事で、 すぐに判決となりました。

胸にバッチのある調停委員から 「良かったですね!お母さんも息子さんも、これから自分の道を歩めますね!」 とのお言葉。 調停委員お二人とも、モラハラについて、ご存知だったようです。

最後に弁護士からの提案で 調書に「申立て人の住居、実家、職場には正当な理由なく近づかない」といった出禁の文言を入れてもらえたのも、これからの安心となりました。

この件で私は 調停で離婚・離縁となった場合、証人も相手のサインや印も不要で済むことを、二度の離婚で初めて知ったのでした。