■ はじめに ■

映画によくあるパターンにこんなものがあります。幸せな家庭である時不思議な出来事が起こります。妻が殺人現場を目撃したのです。 妻の通報で警官が駆けつけてみると、死体なんかどこにもありません。「夢でも見たんでしょう」と言われてもどうも納得がいきません。 不思議な出来事は次々と起こります。ガラスが割れて強盗が入ってきたはずなのに、警察が来るとガラスは割れていません。 妻は半狂乱になって「見たの!本当に見たの!」を繰り返しますが、警官は夫に「精神科で看てもらったらどうですか?」などと 言い始めます。妻は「私はおかしくなってしまったのだろうか」と呆然とします。最後は精神病院で虚ろな目をした妻と、 愛人と抱擁する夫の姿で映画は終わります。すべては夫と愛人が仕組んだお芝居だったのです。
これはサイコホラーサスペンスというジャンルに分類されます。

モラル・ハラスメントはこれに似ています。

フランスの精神科医マリー=フランス イルゴイエンヌさんによって書かれたモラル・ハラスメント。 そこにはあらゆる場面でのハラスメント(嫌がらせ)が事例をあげて記されています。しかしこのサイトでは 夫から妻に対するモラル・ハラスメントだけを取り上げます。それは実際に私が体験したことだからです。 実際に体験しなければ、このハラスメントを理解するのは難しいかもしれません。なぜなら言葉にしてしまえば、 どこにでもある日常の、ほんの小さな出来事にすぎないからです。しかし被害者の多くは心を病み、体までその 影響を受けます。なぜそうなってしまうのでしょうか。
「モラル・ハラスメント〜人を傷つけずにはいられない〜」を 参考に書いていきたいと思います。
なお、私は精神科医でもカウンセラーでも心理学者でもなく、夫からのモラル・ハラスメントを 最近まで受けていた一女性でしかありません。サイトを開いてから掲示板、ML、DM等で伺った同じ被害者の方からのお話や いろいろなサイト、本を読んで私なりに書いてみました。思い違いもあるかもしれません。違っているところがありましたら どうぞ教えて下さい。よろしくお願いいたします。




v目次  v加害者とは  v被害者とは  vモラハラの特徴  v被害者の様子  v脱出とその後  vあとがき  vACとわたし